挑戦 人間円筒 その1
これはまだ、ショーツ型ブルマが全盛だったころのお話である。
今はホームルームの最中である。
学級委員の凛太郎と薫がズンズンと議事を進めているところ。
(凛太郎)「次は運動会の創作ダンスについてです」
いくつかの議題が解決し、来月の運動会の議題に移った。
3年生が行うクラス対抗創作ダンスの詳細についてでアる。
ダンスの曲、振り付け、その他の段取り、これらは、まあ、順調に決まった。
最後に残ったのは人間四段円筒について。
演技を華やかにして点数を稼ごう!
ダンスを踊っている最中に、その中央にパフォーマンスとして人間四段円筒も加えようと。
ここまでは決まっている、しかし・・・
四段円筒。パフォーマンスとしては最高だ。
ただし、あくまでも実際に完成すればの話だが。
(薫)「えーと、それでは人選からはじめますかね。誰か意見のある人」
何人かが手を挙げる。
(正太郎)「まず、土台が大事だと思います。土台がしっかりしていないとつぶれます」
(孝雄)「一段目も大事だよ。結構な高さになるし、怖いよ」
(理恵)「二段目と三段目は体力があって、バランス感覚が良くって、あと、えーっと」
激論の末、三段円筒でも危ないということで、結局二段円筒になってしまった。
大幅に後退した。
これなら簡単でしょ。
土台を三人で組んでその上に一人載っかればいいんだから。
(理恵)「しかしですねぇ、それではあまりにも」
簡単すぎる、と。
観覧者の受けがイマイチになるのはまちがいない。
もう少し工夫が必要だ、どうする。
啓子が手を挙げた。
「じゃあ、土台の円筒を二つ作って、それぞれに足を掛ければどうでしょ」
上に載っかった者が両方の円筒に足を掛けてバンザイをする。
そうすればいくぶん見栄良くなるでしょうと。
薫は「ふーん」と頷く。
(凛太郎)「なるほどね」
(薫)「他に意見のある人は」
いくつか意見が出てきたが・・・
(凛太郎)「では、まとめると、円筒を組むのはなるべく大柄な男子が3人。これを二組つくって、あとはその上に誰が載るかですね」
(薫)「小柄な人か体重が軽い人だよね。小柄な人は体重も軽いんじゃないかしら」
薫は何げなく言った。
「そうだそうだ」と声。
(薫)「では誰がいいですかね」
誰も手を上げない。
(凛太郎)「誰かいないの」
正太郎が、
「軽いというなら男子より女子の方がいいんじゃないでしょうか」
なるほど、女子なら体重の軽い人が多いかな。
(正太郎)「二段しかないんだし、女子を選んでも大丈夫だと思います」
言われてみればそのとおりかも。
(薫)「じゃあ、女子の誰かを推薦してください」
誰も手を上げない。
(薫)「誰かいないの」
「なんか足開いてバンザイなんて品がないものね」
後ろの方でコソコソ声がするが、教室の前の方にいる凛太郎や薫には聞こえない。
(薫)「誰もいないんだ」
(凛太郎)「じゃあしょうがない。誰も手を上げないんだったら、学級委員のおまえがやったら」
(薫)「ええっ!あたし?あたしはそんなに軽くなく・・・いえいえ、小柄じゃないよ。それに・・・」
でも結局そういうことになってしまった。
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