妄想別館 弐号棟


原色ハレンチ大図鑑 その7


そろそろ夕方だ。
子どもたちがぽつぽつと帰っていく。
しかし、先ほどの中学生だけは帰らずに、公園の隅にまだ立っている。
男は特に気にせずに「どーれ、夏美も完全に写真になったかな」と、言っている。
どうやらそのようらしい。
ついさっきまで感じていた、夏美が抵抗しようとする気や念はもうない。完全に消えてしまった。
スーパーガールは3人とも意識を失い、
つまり図鑑から逃げようとか、図鑑を倒そうとか、
そのようなアクションを起こすことは、もうできないのだ。
男、いや図鑑は「ヤレヤレ」と、ようやくリラックスした様子だ。

(男)「そろそろ片付けて、帰るかな」
そこに中学生が近づいてきた。
(中学生)「どうしてもほしい!僕はほしい」
(男)「ん?なんだ」
男は中学生の言っていることがよくわからず、聞き返す。
(男)「え、なんだって。なにがほしい?」
(中学生)「夏美の裸の写真が欲しい」
図鑑をサッと手に取り、なんと夏美のページをビリビリと破いてしまった。
まったく予想外の行動に、男は一瞬唖然とした。
しかし「ハッ」と、して、あわてて飛び出してきた。
(男)「あ、何をするんだ、このガキ!」
瞬間、中学生の手にあった破れたページが光りだして、夏美はページから飛び出し全裸で立っている。
(夏美)「しめた!」
夏美は念妖力によって、本の中から中学生に催眠術をかけていたのだった。

気がついた夏美はすぐに呪文を唱えパワーを回復させた。
すかさず、とんでもないところをもろ見せしながら本を蹴飛ばした。
図鑑は吹っ飛ばされて、さらに運の悪いことに木にぶつかった。
(図鑑)「あ、痛てえ!」
と、同時に男も消えてしまい、
完全に油断していたエロ本図鑑は押さえつけられてしまった。
(夏美)「やっぱり、こうすればよかったのか」
夏美は図鑑を押さえつけながら、ページを次々と破いていく。
本の中に閉じ込められていた女性たちが次々と飛び出してくる。
(図鑑)「あ、あ、やめろぉ!」
女性が出てくるたびに、本の妖力は弱くなっていく。
特に美穂と碧が飛び出してしまうと、一気に妖力はさがってしまった。
(夏美)「これなら今のあたしでも!」
夏美は気力をしぼって手を振り、護符ロープのようなものを出すと、本を縛り付けた。
(図鑑)「あ、あ、なにをするんだ!」
美穂と碧が抜けた本では、夏美のパワーの方が勝っていた。
図鑑は簡単に縛られて動けなくなった。

夏美がクスクス笑いながら「これは悲惨だな」と、言っている。
目の前に2人のお婆さんが全裸で倒れて伸びているが、なんとこれは美穂と碧である。
エロ本に集中的にエネルギーを吸い取られて、いまやシワシワのお婆さんになってしまっている。
(夏美)「もしもし、お婆さんたち大丈夫ですか。しっかりしてください。アハハハハ」
返事はないが、変身してエネルギーを充電すれば元に戻るだろう。
あたりには、裸の女性が大勢倒れており、やはりグッタリと動けないでいる。
夏美だけが、いや彼女も全裸だが、ただ一人動き回っているが、
通りかかった人が次第に集まり増えてくると、
(夏美)「ちょ、ちょっとぉ待って!」
あわてて木の陰に隠れて変身した。
(G)「そうだ美穂と碧も。えーとマスクマスク、マスクはどこだ」
ようやく図鑑に飲み込まれたマスクを見つけたときには、公園内は黒山の人だかり。
気を失って倒れていた、美穂や碧をはじめ、女性たちは・・・どうなったかは以下省略!!!

(夏美)「本は封印して焼却したから。もう出ないでしょう」
あの本は二度と公園には現れなかった。

後日。
(夏美)「おはよう」
待ち合わせ場所に夏美が入っていくと、美穂と碧は機嫌が悪そうな顔をしている。
(夏美)「どうしたのよ2人とも?」
碧が「単刀直入に聞くわよ」と、言っている。
(碧)「あなた、あたしたちの個人情報見たわね」
夏美はハハーンと、
(夏美)「見た見た。でも誰にも言わないから。大丈夫だよ、たぶん」
(碧)「たぶん・・・って?」
彼女たちは一転して懇願するように
(美穂)「本当?絶対誰にも言わないでよ」
(夏美)「言わないよ、あんたたちの初恋の人だとか、何回やった事があるとか。
好きなタイプの男とか。あとは美穂が今好きな人とか・・・」
美穂が真っ赤になって飛びかかってきて、
(美穂)「んなこと言われたら破滅だよ。お願いだから言わないで。もし言ったら絶交だぞ」
碧も加わって「本当だよ。絶対にだぞ。約束しろ」
夏美は笑いながら「わかったわかった」
(夏美:でも人の秘密を知っているって、やっぱりいいな)

                                原色ハレンチ大図鑑 完



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