赤舌のオークション その2
(司会)「それではオークションショーの始まりです」
ファンファーレが鳴り響き、観客席からは拍手が起こった。
ステージが『ガクン』と揺れた。
「キャァー」と、悲鳴が上がる。
『ガクガクン』と、今度は少し沈んだ。
反動でつんのめる者、倒れる者、あるいは立ち上がってしまう者いろいろである。
しかし、さすがに女性たちである。
反射的に大事な所はきっちり手で押さえ隠している。
客席からブーイングが起きだした。
『もっと見せろ』と、ヤジも飛ぶ。
だがそんな声などにかまってはいられない。
『ガクン』『ガクン』と続けざまに来る。
このような場合は重心を低く、つまりしゃがんだり寝転がった方が安定するが、とてもそこまで考えている余裕はなかった。
今度は逆向きの方向にステージが傾いた。
「あっ」
一番外側にいた愛がバランスを崩した。
「いやだ、見えちゃう」
バランスを保とうと手を上げかけてやめた。
あわてて手を戻して胸と前を隠し直し、大事なところは見られずに済んだ。
だがしかし、そのために体が完全によろけてしまった。
「あ、あぁぁー」
体勢を元に戻そうとするが、足元がグラグラ動くのでうまくいかない。
上半身を右前側に傾けた、さらに不安定な格好になってしまった。
前のめリのまま、勢いがついてプールの方に向かって一歩、二歩。
「うゎー、いや、いやだぁ」
踏みとどまることができずに、さらにトットット、と。
そして六歩、七歩とステップを踏みながら頭からつんのめり、
「あーっ!」
プールに落ちていった。
『バサーン』
彼女はあっという間に沈んでしまった。
ここでステージの動きが一旦停止する。
香織は口に手を当てて、恐ろし気な表情で、プールの底を凝視している。
他のみんなも、同じところを呆然と見ている。
青くて透明なプールの底に、愛の髪の毛がユラユラしている。
(司会)「最初の作品は愛でしたぁ」
(麻由子)「なんてこと言うのよ!この人でなし!」
(司会)「騒げるのも今のうちですよね。さあ引き揚げてください」
2本アームのクレーンが動き出した。
愛が沈んでいるあたりで一旦微調整を行い、それからプールの中にアームを入れた。
やがてアームに持ち上げられて、
(今日子)「あ、愛ちゃん」
(香織)「沢田さん」
彼女は体が非常に柔らかく、手も足も真横に開いたような状態で上がってきた。
(京恵)「あー」
(明子)「なんていう格好に」
顔の表情は穏やかであるが、ビンビンに開いたボディは少し滑稽でもある。
『クーン』と、クレーンは愛をステージの上に降ろした。
『ゴトン』愛は軽くステージの上でバウンドした。
(麻由子)「丁寧に扱いなよ」
(司会)「大丈夫、大丈夫ですよ。なにせ石みたいにカチンカチンになってるから」
薬の効力はてきめんである。愛の手足は限界まで開ききり、胸や割れ目を思いっきり晒した格好に。
(司会)「さあ、だれか触ってみる人いますぅ」
(明子)「触れるわけないでしょ。なんてことするのよ」
(陽子)「元に戻しなさいよ」
彼女たちは、大声で罵声を浴びせるが、司会は動じない。
オブジェとなった愛は、もはや物でしかない。
(司会)「いやいや、まだこの状態では完成品ではないのですよ」
客席から拍手が起きる。
残った7人は、客席の方を振り返り、
にらみつけるもの、何か言いたそうなもの、さまざまな表情を見せている。
(司会)「ご説明いたします。 今言いましたように、愛のオブジェはまだ完成品ではありません。
あちらにあります、あの水槽。あの中に3時間ほどつけておけば、完全に元に戻らなくなるのです。ではでは、どうぞ!」
『キーン』という音がして、2本クレーンが再びステージの上まで来る。
アームは再び愛の両腕を持ち上げて、水槽の横にある台まで運んだ。
アームは、ここでも無造作に彼女を台の上に置いた、というか落とした。
大の字の愛は、頭を観客側、足をステージ側に向けて、
『ガタタアァーン!!!』と、ものすごい大きな音をたててあお向けに倒れた。
(明子)「ちょっと、死んじゃう」
(陽子)「もっと丁寧にやんなよ」
石のように倒れた愛ではあるが、ピクリともしない。
白衣を着た者が3名ほど出てきて、何かやっている。
ひものような物?浮きのような物?おもりのような物?
を、取り出してきて、いじくりまわしている。
数分後。
(司会)「さあ、準備ができました」
白衣の男たちが左右から愛の腕をもって『アラヨット』ばかりに、愛を抱き起こす。
愛のおマ〇コと両乳首に、金具?ひも?がついている。
(真理子)「なんなのよ、あれは?」
(司会)「今、ご説明します。完璧な完成品を作成するにあたって、おマ〇コには金属のおもり、両乳首には空気の量を調整できる浮きをつけて、上下に引っ張るのでございます。
そのようにして水槽中でユラユラさせると、裸形がさらに美しく整うのであります」
彼女たちは、このセリフを唖然として聞いている。
(司会)「では水槽に入れてください。ステージの上の皆さんは、愛を沈めるときぐらいは立って見てあげた方がいいんじゃないですかね。」
彼女たちは、体を安定させるためと、客席から見られるのを最低限にするためにしゃがみこんでいたが、
「それもそうだね」とお互いうなづきあい、立ち上がることにした。
もちろん胸や股は隠しているが、おしりは丸見えとなった。
『ザボッ』という音がして愛は水槽の中に入れられた。
彼女は逆さまに沈んでいき、『コツン』と水底に頭をぶつけると、ゆっくり横倒しとなった。
しかし、すぐに浮きに引っ張られて、今度はフラフラと浮き上がってくる。
完璧に開ききった体はゆっくりと浮き上がり、重りのひもが伸び切ったところで、とまった。
そしてユラユラ揺れだした。
かわいい乳首は浮きにより上へ、おマ〇コはおもりにより下へ、それぞれ上下に引っ張られている。
しかし、これで愛の体は水槽の正面を向いて、観客席からよく見えるようになった。
(真理子)「う、大事な所・・・切れちゃうんじゃ・・・」
浮きのひもも、おもりのひももキチキチに伸び切っている。
おマ〇コと乳首も、それぞれ引っ張られて、伸びているのがわかる。
しかし愛自体は水槽の中ほどのちょうどよい位置で、水草のようにユラユラしているだけ。
他人事のような穏やかな顔つきで手足を目いっぱい広げた姿。
とても気持ちよさそうだ。
(司会)「水中に漂う風せんのようですな。さて一体完了です。それでは、ゲームを再開します」
突然のアナウンスに残り7人は、ハッとした。
(司会)「次は誰かなぁ」
- 2 -
*前次#
物語の部屋 目次へ