おみやげ秘話 その3
さて、やっぱりというか・・・、
バスに乗る段になって、梨沙先生が行方不明である。
生徒も含めた学校関係者、宿の人も協力して、付近を探した。
「先生、どこぉ!」「居たら返事してください!」
生徒が教師が叫びながら付近を探している。
雄太郎は呆然自失であった。
ムダな事は百も承知の上で「梨沙先生、どこぉ・・・」と叫んでいた。
そのうち警察も加わり、大掛かりなものとなったが、結局見つからなかった。
追記しておくと、いくつか奇妙な出来事があった。
一つ。
雄太郎が『人形を買う』と、言ったとたん、あの親父は泣きながら、
「ありがとうございます。これで娘も浮かばれます」とか何とか言っていた。
あっという間に、しかも慣れた手つきで梨沙人形を包装して発送してしまった。
ここまではいいのだが、
長いこと人形の世話をしていたのなら、顔や服装が違っていることに気づきそうなものだ。
そのことについては一言もなかった。
二つ。
梨沙の捜索がどんどん大騒ぎになっていく最中。
雄太郎は不思議な出来事を、やっぱりあの親父にだけは、一応、話しておこうと思った。
ところがなんと、宿の従業員たちは、
「そんな男の人は、うちの従業員の中にはいませんよ」
あの特売コーナーにも向かってみたが・・・そんな場所はどこにもなかった。
それでは雄太郎の体験したものは、いったいなんだったのだろう。
でも、彼は梨沙人形が手に入ったことの方が気になっていて・・・
余計なことを考えるのはやめた。
三つ。
梨沙が言っていた夢。
実はかなりの人数、女教師や女生徒もみていたそうだ。
しかも全く同じ内容の夢を。
『役に立っていない』『悲しい』『人形を見に来てほしい』等。
しかしあの場所に行ったのは梨沙だけだったようだ。
他の者は夢を無視しておみやげ買いに夢中になっていたそうだ。
梨沙だけが、夢に従って生贄のようになったという事だろうか。
四つ。
捜索中、雄太郎の頭の中に、謎の声が聞こえてきたことか。
「どうもありがとうございました。
私もやっと、この宿に少しご恩返しをする事ができました。
諸々の後始末についてはおまかせください。うまくやっておきますから。
それでは、ごきげんよう」と。
その声の通り、梨沙の失踪の件は、なんやかんやでうやむやに片付いてしまった。
以上である。
さて数日後。
雄太郎の家におみやげが配送されてきた。
夢ではなかったのだ。
彼は、お菓子のおみやげをはじきとばして、人形の包みを開けた。
大荷物であるが厳重に包装されていた。
「やっぱり、どう見ても梨沙先生だよな」
包装紙の上に横たわっている女性、いやラブドールは、やっぱり青山梨沙である。
目をぱっちり開けてニッコリ微笑んでいる。
もうこの人形は雄太郎のものである。
梨沙人形を抱き起していじくりまわす。撫でまわす。揺すってみる。
とうとう服を脱がしはじめたが、
「あー、やっぱりこれは元は梨沙先生だったんだ」
夏にオープンショルダー姿の彼女を見たことがある。
「あの時も肩の素肌を見てドキッとしたっけ」
彼女は肩の所に小さなホクロが2つ並んであった。
そして、それはこの人形にもついている。
いまだに信じられない雄太郎ではあったが、ここに至ってようやく確信した。
これはもう梨沙ではない。いや数日前まで彼女は人間であったが、
今はこの通り、リアルなラブドールになったのだ。
服を全部脱がすと、立派でかわいい女性器、とびきり上等な物がついている。
まじまじと見つめながら、
「え、そんなに見ないでって?いいじゃない。もっとよく見せてよ」
1人でブツブツ言っている。
乳房を揉んだり、乳首をくわえたり、欲望の赴くままだ。
とうとう割れ目を開いているが、きれいなピンク色をしている。
「へえ、梨沙のって思ったよりもきれいな色してるじゃない。え、『失礼ね』って?ごめんごめん」
彼女のナニはほとんど新品なのだろう。
マドンナとまで言われた彼女が手に入った。
この人形、あとは彼の好き放題に扱われることになるだろう。
「ああして、こうして、〇〇な格好にするのもいいな」
おそらく彼女が人間に戻ることはない。
しかし雄太郎は、彼女を気の毒とはまったく思わない。でも・・・
「よしよし、君のことは大事にしてやろう」
人形の幸せは持ち主次第だ。
雄太郎は人形をリビングの一番いいところに座らせた。
「今日からここが、君のお家なんだよ。梨沙ちゃん」
雄太郎にとっては思い出に残る修学旅行になったようである。
おみやげ秘話 完
2025 03 11
Written by GreenIce
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