身近な刺客 その6
放課後、再び屋上に集まって静流に相談すると、
(静流)「そうだねぇ・・・今回はあたしたちもあのまま終わりだったかもしれないし。
まあさぁ、陰ながら協力する人がいてくれてもいいかもな」
(詩音)「大丈夫かな彼女」
(羽純)「秘密を守れるのかな」
(静流)「舞花ちゃんなら大丈夫だよ」
折り紙付きであると先生は言っている。
(羽純)「でもさあ・・・」
(静流)「ん、なによ?」
(羽純)「そもそもなんで、あたしたちの秘密を知ってるんだろ」
(静流)「あは、それはね・・・」
コホンと咳をして、
(静流)「あたしがしゃべっちゃったぁ」
(羽純)「はぁ?」
(詩音)「さんざん秘密にしようって約束したのに!」
(静流)「いや、あんたたちの正体を知るずっと前からだよ」
ホワイトの正体がバレてしまったと言っている。
それに連動して、レッドとブルーの正体もばれてしまったとか。
(羽純)「連動って何だよ!」
(静流)「まあ、まあ、しょうがなかったんだよ。不可抗力だったんだよ。
それに、あたしたちのこと知ってる者が、影ながら協力してくれる方が、いろいろ便利だしさ」
言い
包められてしまった感じだが、
「絶対に丈夫。あたしを信用しなよ」と熱心に言うものだから、
「まあ、先生がそこまで言うなら」と、納得することにした。
なにより羽純と詩音も、静流の底が知れない。
普段は生徒たちからからかわれているが、時々目の奥で何を考えているかわからなくなるし。
実際はどんな事を考えているのやら。
それにホワイトの能力についても同じだ。
本気になったらレッドやブルーが2人掛かりでもまったく及ばないだろう。
多分先生の言うことに間違いはない。
「仕方がないね。わかったよ」
詩音と羽純がうなずくや否や、
(舞花)「それじゃよろしくね」
「あーーー!」
いつの間にか舞花が後ろに立っていた。羽純と詩音は全く気がつかなかった。
(詩音)「いつから来てたのよ?」
(舞花)「え、最初から。ずっとここにいたよ」
羽純と詩音は開いた口がふさがらなかった。
岸波舞花。不思議な彼女が味方に加わった。
夜、みんな帰ってしまった職員室で静流が残業をしている。
ように見えるが、誰かを待っている。
相変わらず室内には誰もいなし静かなのだが、静流は気がついた。
(静流)「ブラック? いるの?」
(Black)「はい先生。ちょっとご報告が」
静流のところだけライトの明かりが点いている。
周りには誰もいないが、影の中から声がする。
(Bl)「やっぱり、学校の中にスパイがいますね」
今回の事件も手際が良すぎるし。
(静流)「やっぱりそうなのか。それで栂池君はやっぱり無関係なのね」
(Bl)「どこかで催眠術にかけられたようですね」
本星とは無関係のようだが、彼を利用してスーパーガールの抹殺を謀るなんて・・・
静流は「ふーん・・・」と唸っている。
いったい奪魂妖怪は、いつから彼に取りついていたんだろう?
(Bl)「もっと警戒を厳重にした方がいいと思いますね。首謀者はなりふり構わずに襲ってくると思いますよ」
本当の刺客は、まだ学校の中の誰かに紛れて
虎視眈々、彼女たちを狙っているのだろう。
早くその者を探し出さないと、関係ない生徒や職員にも被害が及ぶ可能性がる。
不幸なことにブラックの心配は後になって当たったのだ。
静流たちの弱点を突いて・・・
(静流)「そうだね。でもあなたも気をつけるのよ」
(Bl)「心得てます。それでは」
声も消え、気配もしなくなった。
(静流)「いったい誰が敵なんだろう? まあ詩音と羽純は違うだろうけど」
当面の間、ブラックの活動は、あくまで隠密行動と諜報活動に徹すべきだ。
敵との戦闘はホワイト、それにブルーとレッドにまかせて。
ブラックの正体についてはそれまで明かさない方がいいと思っている静流であった。
そして同じ頃・・・
高級ホテルの特別室で、身なりの良い男と美しい女が話をしている。
ただし色事的なものではない。
女はもちろんフライヤー。男の方はパステルという名の猟奇趣味のある殺し屋である。
自称『魔界のロマンチスト』
しかし同時に、悪人仲間でも恐れられているほど、残酷なことが大好きという男でもあった。
(Fryer)「先日の件で、ミスターツバーンは本気で怒ってるみたい」
(㎩)「ほう、いつも冷静そうなあの男がな」
ミスターピーイーがスーパーガールによって倒された件だ。
(Fr)「まあ、あたしもミスターピーイに恩義があったし、全面的に協力するつもりだけどさ。あんたも協力してよ」
(Pastel)「あいつらには痛い目に合ってるからなぁ。そういうことなら協力せざるを得ないな」
フライヤーは今回、奪魂妖怪がしくじった経過を話す。
(㎩)「そいつは残念だったな」
(Fr)「いいところまで行ったんだけどね。でも次よ。今度はスーパーガールを人形にして葬る計画を考えているの」
(㎩)「人形ね・・・」
(Fr)「そう。スーパーガールを人形にした後で残忍な方法で処分してもらいたいのよ。
あんた変身術も得意だったよね。さらには催眠術も。頼まれてくれるかね?」
(㎩)「いいだろう。でもな、まともに戦ったら勝てる自信はないなぁ。しかも3人だろ。何か策はないのか」
(Fr)「その対策は考えている。これを使うんだよ」
(㎩)「何だい、この薬ビンは?」
スーパーガールの能力を無力化できる薬剤だそうだ。
(Fr)「これを吹きかけてやるのさ。そうすればあいつらはただの人間。ベネチアンマスクの効力も効かなくなる」
ドラコメソッドの商標マークがついている。ツバーンが特別に用意した代物らしい。
(Fr)「あんたは人形化のできる機械仕掛けは得意だろ。これとうまく組み合わせたマシーンを考えてくれないか」
(㎩)「おもしろい。それに、なかなかエロそうな話だな。金にもなりそうだし。俺の理想にぴったりだ。よし乗った!」
それには・・・
まず女性の行方不明者が多数必要だ。
そうなればスーパーガールたちは必ず出てくる。そこをうまく仕留めてしまうのだ!
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