「嘘だろ……カカシ先生…」
「…嘘じゃない」
「な、なんかの間違いじゃねぇの?人違い、とかさ」
「オレも自来也様も、この目で見たんだ」
「だって、墓石だってあるしっ…それにっ」
「ナルトッ」
「…!?」
「全部…事実だ。受け止めろ」

自来也と共に修行を終えて、里に帰ってきたナルトは火影室で青ざめた表情を浮かべていた。
今カカシから言われたことが非現実的すぎて、まるで入っていかない。完全に思考が停止してしまったような、妙な感覚に襲われていた。部屋の空気は重く、目の前にいる綱手が深いため息をつき表情を歪めている。
自来也はその件で一人情報収集に向かったらしいが、あまりにも衝撃的だった為か深く動揺していたと綱手は話す。

「…この調子だと…うちはシスイの死亡も怪しいな…」
「いや…綱手様、それはこの世の理に反する気がします…」
「反することがもう現に起きているんだ」

綱手の側近であるシズネも血の気を無くしたような状態で、滅入っている様子。大人たちの間で交わされる会話すら、今のナルトには届かず視線は床一点を見つめたままだ。

「ナルト…大丈夫か?」

カカシはそんなナルトを横目に見ながら肩に手を置くと、我に返ったのだろうか自分でも無意識のうちに「嘘だ!」という怒鳴り声を上げていた。
もう頭の中が真っ白で、いろんな感情が複雑に絡まってよく分からない。

「姉ちゃんは死んだんだ!死んだ人間が生き返るわけねぇ!」
「おい、落ち着けナルトッ」
「カカシ先生は見たんだろっ!?姉ちゃんが死んだところをっ」
「…!!」
「よしなさいナルトッ。話を聞いて!」
「姉ちゃんがただ生きてたってんならすげぇ嬉しいけどっ……なんでっ…なんでっ…」

力なく床に膝をつき、ポロポロと止めどなく涙が溢れる。
話を聞かされて、一瞬嬉しさが込み上げていた。
大好きな人が、生きていたと。ただ純粋に。
それだけなら、どんなに良かったことだろう。
しかし綱手からその後の説明を聞いた時、ナルトの心は大きな衝撃を受けることになった。

「なんでだってばよぉっ……なんで、暁なんかに居るんだよっ…##NAME1##ねえちゃんっ…!」


prologue
(とにかく涙が、止まらねぇ)


*前 次#


○Top