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スマホの液晶画面に映る写メに思わずため息をつく。かっこよすぎる。いつまでも眺めていたいくらいだ。そう思って改めてじっくり見てもう一度ため息がついた。
ふと横に人の気配がして見上げるとトレーニングが終わった爆豪くんが立っていた。声をかけようとするその前に、私の手にあるスマホをひょいと奪った。
「なんだ?」
「あっ、ちょっ、返して!」
「誰だこりゃ」
「私のミリオ先輩返せー!!」
スマホを奪還するために立ち上がり手を伸ばすも、爆豪くんは自分の身長よりさらに上へ手を伸ばしてしまい届かない。ミリオセンパイ?と呟く爆豪くんに雄英のビッグ3の1人だよとぴょんぴょん飛びながら返答する。するとうぜェと言って私の頭を押さえつけ、あろうことに写メをスライドさせていく。ちょっ、プライバシー!
「ミリオセンパイばっかじゃねぇかクソが」
「いいじゃんかミリオ先輩好きなんだもん!」
「盗撮きめぇ」
「半分違う!ちゃんと許可取ってるのもある!」
「半分盗撮じゃねぇかカスが」
ひと通りスライドしたら興味を無くしたようにポイっとスマホを投げる。ちょっと人の精密機械を雑に扱い過ぎだぞ!
ミリオ先輩は私が1年生の時に、迷子で困っていた私をよく送ってくれた先輩だ。明るくて優しくてユーモア溢れてていつも笑顔。パーフェクト。
最近は忙しいみたいでほとんど会わないのがとても寂しい。その寂しさを埋めるために先輩の写メたちを眺めていたというのに。
爆豪くんは興味ねぇと言ってそっぽを向いた。爆豪くんもちょっとはミリオ先輩を見習って優しくしたらいいのに。
「モタモタすんなクソミーハー迷子!」
「えっ、雑言増えてる」
「うっせェ!帰えんぞ!」
「うあっ、はい!」
珍しいこともあるもんで、爆豪くんが積極的に私を誘ったように帰るぞなんて言ったのなんて初めてじゃないかな。思わず返事が上擦ってしまった。もしかして今日はご機嫌なのか?と思いこっそり顔を覗くとめっちゃ怖い顔してた。あ、機嫌悪い。
人の気も知らないで