25.違和感
ガタンゴトン、ガタンゴトン
「(今日いつも以上に満員だな)」
「…」
「(人の波に押されて井崎ともちょっと離れたし)」
「…」
「(何してんだろ。俯いてるっぽいけど)」
「…」
「(え、なんか顔色悪くないか?)」
「…」
「(近く行って声かけるか)」
「…」
「(くっそ人多いな!)」
「…」
「(え?あれ…)」
「…」
「おいオッサン!何してんだよ!」
「は?!」
「今触ってただろ!」
「触ってない!言い掛かりだ!」
「こっちは見てんだよ!次の駅で降りんぞ!!」
違和感
「井崎!」
「切島くん!?学校は!?」
「遅刻の電話しといた!」
「え!?もしかして取り調べ終わるの待っててくれたの!?」
「当たり前だろ!」
「あ、ありがとう!」
「それより大丈夫か?」
「大丈夫!助けてくれてありがとね!」
「(大丈夫って、顔じゃねぇじゃん)」
「学校に連絡したらもう今日休んでいいって言われちゃった!平日に休めるってなんか優越感だよね」
「親御さんは?」
「今から迎えに来てくれるって」
「じゃあ一緒に待つ」
「え!?学校は!?」
「井崎見送ったら行く」
「悪いよー」
「俺がそうしてぇんだよ!」
「!!じゃ、じゃあお願いします」
「おう!」
「…」
「…」
「…切島くん怒ってる?」
「怒ってない!」
「(絶対怒ってる)」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…えっ」
「あっ、ごめっ」
「どうした!?どっか痛ぇか!?」
「やっ、グスっ…、ちがっ、ズビっ」
「とっとっ、とりあえず落ち着け!ハンカチハンカチ!」
「あっ、ありが、とうっ」
「痛いとこねぇか?」
「うんっ、な、んかっ、あん、しんっ、しちゃって」
「安心?」
「きりしまくんっ、の、かお、みたら」
「…」
「ごめんね、ないてっ」
「…もう我慢しなくていいから」
「…うん」