30.デート(2)
【木椰区ショッピングモール:喫茶店】
「くっ、あの映画、泣けたね」
「おうっ、漢らしかったぜ」
「あのラストシーン」
「ああ!漢の中の漢だった」
「見に来てよかった!切島くんのおかげだ!」
「井崎も好きでよかった」
「はっ!なんかおもてなしされているような気がする」
「そうか?」
「私がお礼したいのに、おかしい」
「お互い楽しかったらいいんじゃねぇの」
「それはそれ!これはこれ!」
「(強情だ)」
「お待たせいたしました、アイスコーヒーのお客様」
「あ、俺っす」
「アイスティーは私です」
「ごゆっくりどうぞ」
「切島くんコーヒー飲めるんだ」
「雄英の受験勉強した時に割と飲んだからな」
「大人だなぁ」
「コーヒーで?」
「うん」
「飲めねぇの?」
「挑戦したけど苦くて無理だった」
「あー、でも最初は不味いと俺も思った」
「今は?」
「まぁ普通に美味く感じるかな」
「何度も飲むと美味しく感じる系か」
「そうかも。あ、俺ので試すか?」
「えっ」
「ほら」
「(…これは、間接キスでは。切島くん、全然気にしてなさそうなんだけど、私の気にしすぎかな…)」
「やめとく?」
「あっ、いただきますっ!」
ゴクン
「…苦い」
「だめかー」
「お返しします」
「おう」
「やっぱり大人の味だった」
「ははは、(あれ、今、ナチュラルに間接キスだったんじゃ。つか、返されたこのコーヒーも間接キスじゃ…)」
「切島くん大人だね」
「(え、井崎、気にしてなさそうなんだけど、俺が意識しすぎか?え?)」
「切島くん?」
「えっ?」
「どうかした?」
「な、なんでもねぇ」
「?」
大人な間接キス