32.デート(終)
「…」
「…」
「あの、井崎」
「…は、い」
「俺、いま、告白、したんだけど」
「!わわわわかって、ます」
「えっと…、返事くれねぇか」
「ちょ、ちょっと待ってっ、なんか、頭の中、まっしろで」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「え、まさか、井崎、俺のこと嫌い?!」
「えっ!?まさか!切島くんのこと好きだよ!」
「え、じゃあ両思いじゃん」
「えっ、あ、そうなんだけどっ、ちょっと待って」
「え、なに?なんで?」
「だ、だって、切島くん」
「おう」
「運動できるし」
「お、おう」
「頭いいし」
「お、う?」
「というか雄英高校のヒーロー科だし」
「それは気にすんなって前にも」
「優しいし」
「ん?」
「かっこいいし」
「ん?ん?」
「強いし」
「井崎?」
「おもしろいし」
「井崎サン!?」
「男気あるし」
「ちょっ」
「友達思いだし」
「だーー!待て待て!!」
「え、なに?」
「いや、俺が聞きたい。褒め殺す気?」
「切島くん良い所いっぱいあるから」
「…そんなにねぇよ」
「切島くん赤いよ」
「(誰の所為だと)」
「まだあるんだけど」
「もう充分だから続きをお願いします」
「じゃあ」
「ハイ」
「切島くんはこんなにすごいのに、私はそれに釣り合うような人間じゃ全然ない」
「え?」
「特に代わり映えのない普通の高校通ってて、頭もいいわけじゃないし、美人なわけでもないし、それに」
「ストップ!」
「え?」
「井崎さ、それって全部人と比べた自己評価の話だよな」
「評価?」
「勝手に自分で評価したモンだろ」
「そう言われると」
「俺は、その…、井崎が自分をどう評価してても、その、やっぱ、好きだし」
「…」
「それにっ、俺は評価が聞きてぇんじゃなくて、井崎が俺のことをどう思ってるかっていう気持ちが知りてえ」
「切島くん」
「評価のこと抜きにして、さっき言った好きっていうのは、友達として?それとも俺と一緒?」
「それは」
「ん」
「…切島くんと、一緒、です」
「っ」
「でも」
「でもは無しにしてくれ!せっかく両想いなんだから」
「っ!」
「ははっ、めっちゃ緊張した!」
「ううっ、わ、私も」
「真っ赤だ」
「同じだね」
「おう」
「改めて言うな」
「うん」
「井崎、俺と付き合ってください」