「おーおー久しぶりだなぁー!変わりねぇか?」
いつもテンションの高い宇随に若干イラつきつつも、後ろに居た煉獄の顔を見ると通常運転にもどる。
【今夜19時 いつもんとこ】
宇随はいつも唐突だ。
飲み会もいきなり誘ってきやがる。
いつもなら無視すんだけどなァ…
【煉獄がゴールイン】
後に来たその内容に心が弾んだ。
これはお祝いの飲み会だな…
行かないわけにはいかねェ…
明日はハロウィンで夜は仕事がある。
さっさ行って煉獄のふにゃけたツラ見てくるとするか。
タケに事情を電話すると
「おめでたいですね!よろしく伝えてください!遅くなっても大丈夫なので!」
電話口で喜んでいるタケに思わず顔が綻ぶ。煉獄には世話になったもんなァ
3人で会うには早めの時間だったから、そのまま向かうことにした。
旦那さんにいらん入れ知恵!
どうやら煉獄は昔からの幼馴染みとやっと気持ちが通じたらしい。
そういえば言ってたな、昔からの仲のいい女がいると。
いいやつだからなァ…
幸せになってほしいと思うのは数少ない気心知れた友だからだ。
伊黒とも気が合うがあいつとは女の趣味は合わねェ。
ひとしきり煉獄をお祝いしてそろそろ帰ろうか。
帰りは遅くてもいいっつったけどなァ…
タケが待ってる。
チラリと腕時計を見るとまだ21時だ。
「で、夜の方はどうなんだ?あ?俺になんでも相談してみろよ」
いきなり煉獄と俺と肩に腕をまわしてきたと思いきやまたこの手の話だ。
男はみんなすんのかァ?めんどくせェ…
「結婚を決めてからに決まっているだろう!無責任なことはしない!」
「だーっ!これだから煉獄は…まぁそこがいい所なんだけどよ、不死川はどうよ。仲良くしてんのか?」
「関係ねェ」
なんで宇随なんかに俺達のプライベート話さなきゃなんねェんだよ
「つれねーな…ちゃーんとタケ気持ちよくしてあげてんのか?女ってのはなぁ…言えないもんだぜ?」
「挿れたら皆気持ちいいのではないのか!?」
「…バカ!!声がでけぇ!それまでにいたる準備が必要なんだよ…!テクニックがな…」
ゴンっと宇随が煉獄を小突く。
もしかして童貞?聞ける訳もなく宇随が声を小さくする。
「体位だって色々あるんだよ…そんなかで相手の"イイトコロ"見つけんだよ。」
「くだらねェ…」
クソ大きめに舌打ちしてやった。
そういえば。
タケは、ちゃんと気持ちいいのか?
いつもよがって必死な姿が思い浮かぶ。
そこが可愛くて仕方がねェんだが…
改めてこうしてほしいと言葉にだされたことがない。
「お前もさぁ…どーせタケ気遣って優しく優しくしてんだろ?たまには己の欲に従って激しくてもいいんじゃね?!むしろそっちの方が好きかもしれねーぞ。騎乗位とか。」
「キジョウイ!!なんだそれは!どうするんだ!」
「だから声がでけーって!」
ギャアギャアと盛り上がる宇随と煉獄に溜め息がでる。
ゲスい内容にかなりイラつくも反論できない。
そんなもん…試したことはない。
自分よりも一回り以上小柄なタケに激しくだァ…?
…
むわむわと想像しただけでどうにかなりそうだ。
気を紛らわすべく目の前のビールを飲み干す。
「タケにとっては良くも悪くもセックスはお前一人なんだぜ?ちゃーんと満足させてあげねぇと余所向いちまうぞ。」
余所を見る?
まさかタケに限ってあるわけがない。
あいつは俺の事が好きなはずだ…。
わりとわかりやすく表現してくれる。
自分自身も彼女の好意を感じている。
「それによ、好きなら相手の知らない顔…もっと見たくね?お前もよー…相手思うばっかじゃ駄目だぜ。自分のしてみたい欲も試してみるのもいいんじゃね?」
まだ新婚ホヤホヤの俺たちは同じ時間をなるべく共有してきたつもりだった。
まだ俺の知らないタケがいるのか…?
そうだとすれば…
「むっつりも度を越えると大変だな」
おーい、と目の前で手を振られ、ブチィっと何かがキレる音がした。
紛れもなく自分だ。
「宇随てめェ…ぶっ殺す…!!!」
「不死川待て!宇随を殺る前にそのキジョウイとやらを教えてもらいたい!!!」
「煉獄もてめェ…いい加減にしろォオ!!」
本日何度目かの怒号。
ケラケラと笑っている宇随に本気な煉獄に頭が痛くなる。
腹立たしかったが宇随はたまに人の触れてほしくない所に核心をついてくる時がある。
気にするなんてらしくねェんだけどよ…
このバカ共に付き合ってらんねェ…
わいのわいの言ってる宇随にバンっと机を叩いて金を渡し、手荒にかけているコートを掴んだ。
「ま、がんばれよー!」
「うむ!どうなったかあとで参考にさせてくれ!」
「誰が言うかクソがァア!!!」
※※※※
「お帰りなさい!楽しかった?」
帰宅するとまだタケは起きていたらしく、玄関へバタバタと出てきた。
「先に浴びます?」
「わりィ…先に浴びるわ。」
ポンポンとタケの頭を撫でて風呂場へと直行する。
じんわりとベタつく汗を取り払いたくて足早に熱い湯を被る。
歯も磨きてェ…
熱めのシャワーに若干ふらつきながらも意識がはっきりしてきた。
コンコンと風呂場のドアが空く。
「お茶いります?」
サッと隙間からお茶が差し出される。
優しさにいつにも増して心が高揚する自分がいた。
「こんな時は先に寝とけ…よ…」
ガシガシと頭を拭いて少しすっきりした目先に居た光景に脳内をガンガン叩かれてるくらいの衝撃が走った。
「トリック・オア・トリート!実弥さん!!」
はらり、と頭を拭いていたタオルが落ちる。
目の前にはさっ着ていた寝巻きではなく、短いスカートの魔女の格好をしたタケが立っていた。
end
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