06.




「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、私の彼氏のことなんてもう話のネタがつきました〜。今から胡蝶先生の美しさ可愛らしさを愛でましょうよぉ〜」




いつも行く居酒屋の、いつも通される個室。
そこのテーブルで絡み酒を始めたのは職場の事務員であるマツ。



「お、こいつ酔うと派手に面白くなるな」
「ちょっと宇髄くん。飲ませすぎじゃない?」  
「明日が祝日でよかったな!いつものマツ先生からは考えられない姿だな!」



「いつも教員だけで飲みに行くことが多いから、いつか事務のマツ先生ともご一緒したくて〜」と言っていた胡蝶に前々からちょいちょいマツに絡んでいた宇髄。



「オイ。ちょっと酒飲むのをやめてこれを飲めェ。宇髄、飲ませすぎだァ」
「不死川先生、ありがとうございます〜」
「実弥ちゃんのイケズ〜」
「勝手に言ってろ」



チェイサーで頼んでいた水を渡すとグビグビ飲み始めた。




「教師」ではなく「事務員」のマツとは教材の手配依頼や長期休みの当番やらで一緒に仕事する事もあるけどこんな風に飲みにいくようなことはなかった。


勤務態度も真面目、コイツと会話するのは嫌いじゃない。むしろ、好きな方だ。


だけどまさかコイツに彼氏いるとは思わなかった。

しかも警察官の。流石に場所は教えてもらえなかった。

それに少なからず心がモヤッとしてしまった。なんだこの気持ち。



「じゃあそろそろいい時間だしお開きかしら〜。タケちゃん、1人で帰れそう?」
「え〜もうお開きですかぁ〜?まだまだ皆さんと飲みたいです〜」
「ならまた今度、冨岡や伊黒も呼んで飲もうぜ!」
「わーい!楽しみにしてますね〜!」




「オイ、マツ。1人で帰れるかァ?」
「大丈夫です!」
「タケちゃん、萩原さんに迎えにきて貰えばいいんじゃない〜?」


ピシッとその場で敬礼するマツに、胡蝶がとんでもないことを言い出した。
そしていつの間に名前呼びになったんだァ?


「今日はぁ〜研二は夜勤なので〜タクシー乗って帰りますーす」
「なら俺がタクシー乗り場に連れてってやるよ」
「じゃあ、不死川くん、よろしくね〜。タケちゃん、また明後日学校で会いましょ〜」
「はーい!おつかれさまでしたー!!」



胡蝶と宇髄、煉獄を見送り、タクシー乗り場に連れて行こうと横に立ってるマツに声をかけた。



「ホラ、行くぞォ」
「はーい」


ニコニコしながらついてくるマツをみて、コイツこんな顔もできるのかァと心の中で1人呟く。



こんなことを考えてるのは俺以外、誰も知らない



06. smile




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