08.
目が覚めると見慣れない天井にドキッとした。
「目が覚めましたか」
「た、珠世先生…?…ここは…?」
「医務室です。タケ先生、意識失ってこちらに運ばれてきた時はびっくりしましたよ。過呼吸ですね。」
「ご迷惑をおかけしました…業務に戻ります」
ベッドから降りてドアに向かうと後ろから声をかけられた。
「今日はもう帰ってゆっくりしてください。無理はいけません。帰らないのであればここでお休みください」
「…わかりました…今日は早退します…失礼しました」
医務室を出て、廊下を早歩きで通り抜ける。
テレビを、見ないと。
スマホはどこにやったっけ…覚えてない…確認しないと。
「鱗滝さん、突然倒れたみたいですみません。」
事務室に戻ると鱗滝さんに声かけし、自分の机の上にあったスマホを見る。
着信は何もない。
「あまり無茶をするな。事務長には話を通している。今日は早退してゆっくり休め」
「…はい。そうさせていただきます。ありがとうございます」
「無理は、するなよ…」
荷物をまとめ、外に出る。
再度研二に電話をするが繋がらない。
ネットで爆発した高層マンションがどこにあるのかを調べる。
キメ学から車で15分くらいのところにあるらしい。タクシー…捕まえなきゃ…
走って通用門を通り、大通りに出てタクシーを探そうと考えてた時だった。
「マツ。大丈夫だったかァ?帰るなら送っていく」
「不死川先生…私、帰る前に行かないといけないところあって…不死川先生、授業もあるだろうしタクシーでも拾います」
「………あのマンションかァ?」
「………はい…」
「場所はどこになるのか知ってるのかァ?」
「ネットで調べて…ここだろうと言うところは…」
「なら着いてこい。連れてく」
「でも授業は…」
「もう今日は午後から授業はねェよ。半休取って俺も帰ろうとしてたところだァ」
職員用駐車場に停めてある不死川先生の車に乗り込み、住所を伝えてナビに入力する。
「すみません…半休なのに…」
「そんな気にすることねェよ」
「あの、ちょっとスマホ触っていいですか…」
「あァ…」
電話をかけるがやはりまだ繋がらない。
アプリを開き、メッセージを送る。
『大丈夫なんだよね?』
『ニュース見ました。』
『しつこくてごめん。本当に心配で』
そしてもう一度電話をかける。
なり続けるコール音。
車でたかが15分、されど15分それがとても長く感じる。
「警察の規制線張られててマンション前までは行けそうにねェな。野次馬も多いし…近くのコインパーキングに停めていくか…」
「ここまでで大丈夫です。私一人で歩いて向かいます…半休だったのに、連れてきていただいてありがとうございます。すみませんでした」
路肩に停められた車から降りて不死川先生に頭を下げる。
そして走ってマンションまで向かった。
後ろから名前を呼ばれる声が聞こえてきたけど、振り返らずに走り続けた。
08. signal
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