09.
走って走って、
テレビで見た時よりは少なくなってる野次馬をかき分けて、
規制線の前まで来た。
黄色いテープの向こう側にパトカーと消防、そして機動隊が乗ってたであろう車両。
警察の人たちがバタバタしている。
もう少し近づかないと何を話しているのか聞こえない。
どこか、テープが貼られてなくて少しでも近づけるところは…
規制線のテープ沿いに人が少なくなっていく方を目指す。
「君!そこで何をしている!」
「あ、そ、その…人を探してて…」
「ここから先は一般人は立ち入り禁止だ。危ないからほら、下がって下がって」
人気が少なくなってきたところでテープを跨いで中に入ろうとしたらタイミング悪く見回りの警察官に見つかった。
中に入れないならもうこの人に聞くしかない。
「け、警察官の方で、今の爆発で、怪我をされた方とかいらっしゃるんですか…?」
「なに?君もしかしてマスコミ?」
「違います…爆発物処理班に知り合いがいて…ニュースを見たら…爆発したって聞いて居ても立ってもいられなくてここまで来ました…」
嘘は言ってない。
お願いお巡りさん。
「怪我人は出たけど死者は出てないよ」って言って…
「あー、そう言うことだったのか。でも、一般の人に言ったらいけないことだから…」
「お願いします。教えてください!」
「また警察から報道陣に向けて公式で発表があると思うから、それを確認してください」
「そんな…!!
そう…ですか…わかりました…」
マンションに背を向けて歩き始めた時、カバンの中のスマホが震えてるのに気づいた。
相手の確認などせずにすぐに通話状態にする。
「もしもし、研二?無事なの?!」
『あー…マツ先生?今どこにいる?』
「し、不死川先生…今、マンションの前の公園みたいなところの規制線にいます…」
「やっと見つけた…テメェすばしっこすぎなんだよ」
横と電話越しに声が聞こえた。
「ブッ倒れたばかりなんだから、走ったりすんじゃねェ」
「すみません…」
「んで、彼氏はここにはいなかったのかァ?」
「…わかりませんでした。警察の方も教えてくれませんでした」
そのとき、もう一度スマホが震えた。
画面を確認して通話ボタンを押す。
「も、もしもし…」
09. secret
前◯次◯小説トップ
top