本部OPと18歳
大学終わりに本部へ向かうと、お昼時を少し過ぎた時間でお腹の虫がぐぅと空腹を訴える。お昼何食べようかな、と食堂のメニューを頭の中で浮かべながら食堂へ向かうと特徴的なトゲトゲの黒髪が見えた。
「カゲ〜〜やっほ〜〜〜」
「あ?…んだよ、なまえか」
「なまえさん、お久しぶりです。今日は本部なんですね」
「鋼くん!久しぶりだね〜!そうなの〜〜お昼食べたら臨時で防衛任務のオペレーターするんだ」
食堂にカゲ、鋼くん、荒船、犬飼がいて、学校は?と聞くと犬飼が今日は六頴館も三門第一も昼までだと教えてくれた。食券機の前に行くとカゲが頭をガシガシとかきながらこちらを向いた。
「おい、なまえ何食うんだよ」
「え、なに?カゲのおごり?どうしたの?」
「この前報告書代わりに出してたろ」
「あーあれね、別についでだったし気にしなくていいのに」
「いいからさっさと決めろ」
「え〜〜、じゃあきつねうどん」
この前、テスト期間中のカゲの代わりに報告書を提出していたことを覚えていたらしく、奢ってくれると言ったカゲに甘えることにした。カゲは頑固だから、こういうとき断り続けるよりすんなりと甘える方がいいのだ。私のが年上だけど。
私の分の食券を持ってカウンターに向かうカゲを見ていると犬飼がニヤニヤしながら肘で突いてくる。
「ちょ、なに」
「カゲって絶対なまえさんのこと気に入ってるよね」
「え〜〜?まぁ嫌われてはないと思うけど」
「カゲが誰かに奢ることなんてほとんどないでしょ」
「でもこれは報告書のお礼だよ?」
そう言うと犬飼は更に口角を上げて、カゲも大変だなぁこりゃと言った。なにが大変なの?と聞いたが笑うだけで何も教えてくれない。荒船と鋼くんもにこにこ(にやにや?)するだけでなにも教えてくれない。なんなんだ本当に。
謎の笑みの真意はわからないまま、4人に混ぜてもらい一緒にお昼ご飯をとった。お昼時を少し過ぎていたおかげで、全員が座れる席があって私を挟んでカゲと犬飼が座り、その前に荒船と鋼くんが座る。
「なまえさん、うどんちょっとちょうだいよ」
「犬飼テメェ、自分のやつ食ってろよ」
「俺はカゲじゃなくてなまえさんに聞いてるんだよ」
「俺が買ったモンなんだから俺のも同然だろうが」
私を挟んでカゲと犬飼が言い合いする。それを荒船と鋼くんは慣れた様子で無視しながら自分のご飯を食べすすめていく。味方がどこにもいないんだけど。
「も〜、カゲも犬飼もうるさいんだけど」
「うるせぇのはこいつだけだ」
「カゲも十分うるさかったと思うけど?」
テメェ、ふざけんなよとまたカゲが犬飼を睨みつける。犬飼はそれを楽しそうに交わしながら自分が頼んだハンバーグを食べる。
「なまえさん、食べる?」
「ん、いいの?」
「はい、あーん」
「あー」
犬飼がハンバーグを一切れ差し出してくるのを、口を開けて待ち構える。
「ん、美味しい!チーズ入ってる!」
「でしょ?」
「なまえさん、こっちもどうですか?」
「鋼くんのもいいの?」
「はい、どうぞ」
わーい、と鋼くんが差し出してくれたざる蕎麦を一口もらう。荒船がこれも食えよ、と自分のご飯を差し出してきた。どれも美味しい!と食べたところでぐいっと横のカゲに引っ張られる。
「うわ、もう、何するの」
「餌付けされてんじゃねぇよ」
「むぐ、」
カゲが私の口に自分の焼き鳥丼を押し込んできた。
もぐもぐと咀嚼して、美味しいと零すとカゲが満足気に笑った。
「カゲも可愛いとこあるよね」
「そんなこと言ってたらまたキレられるぞ」
「鋼、犬飼とカゲに関わったら損するだけだ」
その後も私を挟んでカゲに犬飼が無駄にちょっかいかけて煽ったり、その言い合いを鋼くんがまぁまぁと一応宥めてくれたり、そのやり取りを我関せずと荒船は私に最近見た映画の話題を振ってくる。中々にカオスな空間だったけど、一人で食べる味気のないご飯より、よっぽど楽しい時間。
ご飯を食べ終わり、みんなと別れてオペレーター室へ向かうと、響子さんになんか嬉しそうだねと言われた。