君の神様

いつもより少しだけ遅く起きた午後、寝惚けた足でリビングに向かえばソファからひょっこり彼女の顔が現れた。
僕に気が付いた彼女は特別長くはないけど短くもない可愛い脚をゆっくりと組み替えて、満足したみたいに上機嫌に微笑む。起きたの、なんて僕の後頭部ばかりを見て、さては寝癖でもあったんだろう。
起きて一番、身体がそれを覚えているみたいに僕は彼女の頬にそっと指を滑らせた。それでも彼女がソファの重力に抗える気配がないから、降参したみたいに彼女の前髪をゆっくりと退かしてやりながら言うのだ。
「二人のソファを一人で占領しちゃって。神様にでもなったつもり?」
僕が髪を退けた彼女のおでこに、柔らかい秋の午後の陽射しがまるで天使の輪っかみたいに降り注ぐ。
そしたら彼女、満更でもなさそうな顔で言うんだよね。
「これから、君の神様になるつもり」
僕、神様って見たことないけど、もしもいるとしたら君みたいな姿をしているんだろうな!