目が覚めたとき、時計の針が何時をさしているのか、はっきりとは分からなかった。思い出すには古すぎる、懐かしい夢を見ていた気がする。ただ古びた校舎の窓から差し込む陽光が、夏の昼下がりの、おそらく午後一時だとか、そんな時刻を示していた。冷房の効いた部屋の窓から、木々の新緑が洪水のように押し寄せる。わずかな木陰は窓のふちに薄い影を落とし、室内を巡る緩やかな冷気の流れにカーテンが微かに動いた。ソファの上で身じろぐことも躊躇われる静かさだった—まるでこの午後の空気と自分が一体化してしまったような—無限にも続くかと思われた微睡みの中で、まるで世界の終わりを知らせる崩落が耳の奥を貫く。躊躇なく開けられた扉の音が眠っていた身体の細胞を一つ一つ起こす。深海から一瞬にして水面へ引き上げられていく感覚。瀬生が、呆れた顔で僕を覗き込んだ。「そろそろ起きなよ」