キャサリン
「あ、夜煙姉さんだ」
「アンタ……なんでここにいんのよ……」
「なんでって、そりゃあ盗みに来たからですよ。姉さんもですか?」
「……そうよ。アンタ、どこから依頼されたの」
「姉さんに依頼の手紙を送ったあとに出会ったんです。なんだかとっても泣きそうな顔してたから、助けてあげたいと思って。あ、お金は要求してないから安心してください」
「ずいぶんと生意気になったのね。私の獲物に手を出すなんて」
「獲物だなんて! 人助けのためにやってる盗みのこと、そんなに悪い言葉で飾らなくてもいいんじゃないんですか?」
「私は私のため、報酬のためにやってるのよ。こんな汚いこと、人助けのためなんかでやるわけないじゃない」
「姉さんってば強情〜そういうところも好きですよ」
「……それで、目的のものはどこにあるの」
「私のこと頼ってくれるんですか! やった〜! え〜っと、すぐそこですよ。警備もザルです。姉さんなら朝飯前です」
「情報収集だけはいっちょ前にできるっていうのに、盗みは本当に下手よね。いっつも証拠を残して、いつ尻尾を掴まれることやら」
「心配してくれてるんですか?」
「そんなわけないじゃない! ただ、私に有益な情報をタダで流してくれる人間がいなくなるのはもったいないだけよ」
「姉さ〜ん……コンビ組みましょうよ〜きっと私たち相性いいですよ〜ね〜」
「いやよ、いや。アンタなんかと組んだら夜煙の評判が下がっちゃうじゃない」
「そんな! いいようにつかっていいですよ! 頑張って情報集めますから! 絶対損はさせません!」
「はあ……考えておくわ」
「やった〜! じゃあ姉さんにアレは譲ります! また今度!」