周防桃子
「に、似合うかな、なまえさん」
「……うん、すごくきれいだよ。桃子」
薄いピンクのベールにまとわれている桃子は、本当にきれいだった。子供だからとか、そういうのは関係なくて、ただただ桃子はきれいで、儚くて、私は涙が出そうになった。
「嘘じゃ、ないよね?」
「ほんとうだよ。このドレスが似合うのは桃子だけだよ」
月夜は桃子をもっときれいに見せていた。このきらめきは私だけのものなのかもと思わせるぐらい幻想的で、世界にはふたりしかいないみたいだ。私の目の前にいる桃子は幻なのかも。そう思うと、この子の前で泣いても許される気がした。
「冷えてきたね、戻ろっか」
「うん。きてくれてありがとう、なまえさん」
ドレスの裾を引きずらないようにやさしく持ちながら、後ろを歩く。きれいなんだ。この世界で一番、あなたが特別に見える。ごめんね。トップアイドルになろうね。私頑張るよ。