「どう思います?二口さん」
「興味が無い」
「はっきりとそんな事言っていいのかなあ?」
「異議なしだと思いまーす」
「相変わらず最低ですねー」
「そんなやつにはコーラ買ってあげませーん」
「え、それはべつ!」
夏をきらきらだと言うのはなぜだろう。海の輝きがそれを言わせているのだろうか。私からすれば春は花がきらきらとさせているし、秋は食べ物たちがきらきらとさせているし、冬には雪がきらきらとさせているように見えるのに。1年中、どこだってきらきらきらきらしている。宝石みたいな小聡明い輝きというより、もっと芽吹いた、そこに奮い立っている輝きが。
「買ってよー買ってよ二口ぃー」
「じゃあ俺を褒めて」
「かっこいいキャプテン様になってるモテモテ彼女が超絶美人」
「なに最後盛り込んでるの」
「あれ、間違い?」
「…自分でいうのがな」
「無自覚な可愛さお求め?二口さん」
二口はきらきらとはしていなかった。やさぐれたイケメン感、でしかなくて、でもそれが現実世界であって、キラキラしている人というのは究極普遍的な人間の理解など到底出来ないのだと思う(烏野のオレンジ髪の子とか白鳥沢のエースとか)。私は絶対に二口がいい。二口は私と通じているから。だから、そんな私もつまりはきらきらとなれないのだ。
「はい、どーぞ」
「さすが二口さん」
「まあ約束したしね」
「意外と素直 」
「素直な俺はお嫌いですか?なまえさん」
「…何パクリ?」
「そんなとこ」
「お嫌いじゃないです大好きですよ?」
「…素直返し?」
「、バカップルみたい」
「じゃあもっとそれっぽいこと、する?」
二口はたまにどきりとするような視線を私にぶつけてくる。未だに、私はそれに慣れなくて、いつも吃ってしまうと、二口は勝ち誇ったように笑う。そして距離を詰めてキスをするのだ。誰もいない公園。冬の痛い空気が、もうすぐそこで和らぎだそうとしていた。
「…まだ慣れないの」
「…う、うっさ」
「ま、そーゆーとこは好きですよ」
「、二口うざ!」
私たちはきらきらとはしていない。だけれど、置かれた2人の空気感はちょっとだけ、それに似ているような気がしていた。気晴らしでしかないかもしれないけど、それでも私はそれで満たされていたから。
「二口何飲んでるの」
「ポカリ」
「コーラとはなんか合わないね」
「そう?」
「不味かった」
「あっそ」
「あ、でも二口のキスは上手いよ」
「もっとしてほしいの?」
「うるさい違うわ」
なんか自由だと思えるんだもの。そして、これは永遠に続くような、二口といるとそんな不思議な感覚になれるんだもの。