「ふう・・・やっと着いた」
空港内はたくさんの人で賑わっている。最新鋭の科学技術を余すことなく施されたこの島は、その場の空気さえ普段と違うように感じる。
「・・・てめェ」
「?、え」
「何でここにいやがる?!」
「、爆豪こそ」
「お?紫那じゃねーか!もしかしておまえも招待されたのか?」
「あら、切島も。わたしは、招待券を譲ってもらってそれでいる、けど」
「ア゛?誰にだよまさか半分野郎にとは言わねえよな」
「なんで轟?違う。警察庁の人からお話しをもらって、それで」
───数日前
「・・・え、そんな、」
「僕らは国を守るために尽力しなくてはならない。それが仕事だからだ。まあ家族に渡してもいいのだが、せっかくの機会だ。未来ある君が行った方が、大変意義がある」
「そうですが・・・申し訳ないです。たくさんお世話になっているのに、こんなことまで」
「そんなことないさ。ヒーロー志望の少女1人守れなくて国民を守ろうだなんて言えないだろう。それに、これは将来有望な君に対してのひとつのアピールだよ。君との繋がりを大切にしたい。それを分かってくれると僕らもありがたい」
久々に警察庁長官室に足を運ぶと、渡されたチケット。テレビで話題になっている例のエキスポのチケットだった。申し訳なさは消えないが、親戚にも向けられたことのない温かな眼差しと共に期待の言葉で結ばれてしまうと、拒んでばかりいるのも億劫になる。
「・・・ありがとうございます。それではお言葉に甘えます」
「うん。せっかくの夏休みだし、楽しんでおいで!・・・あ、そうそう」
「はい」
「いろいろ手筈はこちらで整えておくから心配しないでいいからね。また連絡するよ!」
「ありがとうございます・・・!」
いい人に出会ってしまったなと痛感する。ヒーローが出てきてからというもの、比較されたりバッシングされたりはしてはいるが、警察の仕事はヒーローのように目に見えた人助けをすることだけではない。安全を守る、それは様々な角度から行うもので、そのシステムによって私は生かされている。
「───まあせっかくの機会だし、ありがたく来させてもらったの」
「そっかー!紫那すげえからな!」
「ハッ!期末試験でフラッフラになってたくせに、あれのどこがスゲェんだよ」
「うるっさいな。自分こそオールマイトに殴られてぶっ倒れてなかったっけ、?」
「ンだ?やんのか?あァ?!」
「おまえら落ち着けって。まだIアイランドに着いたばっかだぞ」
「、ごめん切島。は〜、切島とだけ会いたかったな・・・」
「ンだとテメェ・・・俺にも会いたかっただろーがァ!!!」
「チョットナニイッテルカワカンナイッスネ」
爆発単細胞マンのせいで、着いた早々気分が悪くなったが仕方がない。切島という潤滑油のおかげで、なんとか一触即発の空気から事なきを得た後、爆豪からこれからどうすんだと投げやりな言葉を吐かれる。ホテルに向かうがてらパビリオンを回る旨を伝えると、爆豪はどうでも良さそうに鼻で返事をした。なんなんだ。
「パビリオン、切島となら行きたいけど、もれなくお荷物がついてくるからなあ・・・」
「ぶっ飛ばすぞクソ性悪が・・!」
「紫那そういう人たらしやめてくれ・・・」
「──んじゃあ、俺と行かねえか?紫那」
「ん?・・・!っ、轟?なんでここに」
「親父の代理でさっき着いたんだが、見慣れたコスチュームが見えたからな。来てみたらやっぱりおめェらだった。で、パビリオン回るんだろ?俺も興味ある」
「あ、じゃあ一緒に行」
「?!!テメェなに突然出しゃばってんだよ!あと勝手に決めてんじゃねえ!!こいつは俺らと行く」
「?爆豪、紫那に嫌がられてたじゃねーか」
「っぜェ!テメェら二人きりなんざいけ好かねえ・・・!」
「(そういうの手っ取り早く嫉妬っていうんだぜ爆豪・・・)」
「さっきからどうしたの。嫉妬されるような関係性になったことはない。今日は轟と回る。じゃあまたレセプションで〜」
「待てやコラァ・・・、っ」
「あ と で ね 。じゃあね切島〜」
「おっ、おう・・・ん?爆豪」
「・・・」
「うんわ、さり気なく爆豪に欲求吸収してやがる・・・おっかねぇわ紫那、」