「さすがね・・・」
「あぁ、すげえ」

科学技術の最先端に圧倒されながら、パビリオンをまわる。澄ました顔をしながらも微かに感じ取れた彼の好奇心は、短いながらにも濃い付き合いからだろうか。エンデヴァーの個性を使うようになった彼は、前にも増して強く、そして関わりやすくなった。

「ちょっと、休むか?」
「そうね・・・だいぶ歩いたし、そうしよう」
「紫那のホテルどこだ?そこに向かうまでの寄り道なんだろ?」
「うん。レセプション会場に1番近いホテルだから・・・」
「ん?じゃあ俺と同じじゃねーか?ここだろ」
「あ、・・・ほんとだ一緒」

轟と近くのベンチに腰掛ける。どうやら同じホテルらしく、向かう道は同じようだ。切島たちには悪いが、轟と来て正解だったかもしれない。

「なんか飲むか?」
「うん、喉かわいた。あそこのカフェとか良さそう」
「っし、行くか」

お互いに、あまり口数が多い方ではないが、そういうところも含め、彼と過ごす時間は気を遣うこともなく楽である。いい友人が出来たな、と思う。

「なんか、あれだな」
「ん?」
「カップルみてぇ」
「っえ、あ、そうだね、?」
「ああ・・・変な感じだ」
「でも、わたしは居心地良いよ」
「・・・それあんま他のやつに言うなよ」
「?うん。思った人にしか言わない」
「いや、そういうの・・・もういい」
「(なんか間違ったかな、)」

何故か項垂れている轟の手を引きながら、カフェに向かう。冷房の効いたカフェの中は、人が多いが落ち着いたいい雰囲気をしている。パビリオン内にあるから科学技術を駆使した店なのかと思ったが、日本と変わらず馴染みあるカフェのようだ。

「いらっしゃいま・・・って、ええ?!轟と紫那?!」
「な、なにしてんだオマエら・・・!」
「、あら」
「上鳴と峰田じゃねえか。なにやってんだ?」
「いやそれはこっちのセリフ、!え、なにデート?えっ付き合ってんの?」
「たまたま空港であったから一緒にパビリオン回ってるだけ。上鳴たちは・・・バイト?」
「まあそんなとこだけどよー・・・轟、うらやましいぜ・・・」
「オイラたちがこんなに身を粉にして労働してる時に・・・」
「なんかワりぃな。んで、席に案内してくれねぇか?」
「「(無慈悲だ・・・)」」

このエキスポの賑わいを見るに、相当ここも忙しいようだ。上鳴と峰田の死んだような顔に少し同情しつつ、案内されたテラス席に座る。風通りが良くて、気持ちが良い。

「結構ここに来てるみたいね、A組も」
「だな。他にもまだ来てんのか?」
「百ちゃんたちも来てるとは聞いたけど・・・まだ見てないな、」
「そうか、・・・ん?」
「わ、なに、この振動」
「おい見ろアレ」
「なにあれ、・・・アトラクション?」


回わる



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