おなじ青をみてたのに

陸 視点








「ちわーす!...あれ?小日向先輩、今日支倉先輩休みっすか?」
「すこし遅れるみたいだよ」
「そうなんですか」


俺たち1年生が入部して3日がたった。
部長を待ってる間に着替えて軽く準備運動でもしておこうか、という小日向先輩の指示で部室内で出来るストレッチなどをしてまっていると、扉の向こうから支倉先輩の声がしてどうやらをあけてほしいとのことらしい。


「あ、じゃあ俺開けてきます!」
「りっくん頼んだよ」
「あいっす!...って、え?」
「りっくんどうした...えぇ!?ヒースくん!#name1#ちゃんどうしちゃったの!?ていうかお姫様抱っこしてるし!略してOSD!OSD!」
「だぁー!ごちゃごちゃ騒ぐな!#name1#は貧血だっつの」
「ん?#name1#ちゃんって誰っすか!」
「ふっふっふっふっ、ここはわたくし、門脇歩が説明しよう。#name1#さんはリレーショナー兼マネージャー!そしてそして〜部長のカノ」
「おい、門脇それ以上言ったらヘッドロックだ」
「はいすいませんでした」
「カノ...?ていうか、門脇先輩すごい棒読みっす!」
「悪い、そこのソファ空けてもらっていいか。こいつ寝かせとくから」


保健室は空いてなかったのか聞いたけど、どうやら保健の先生が急用で出掛けていて鍵がかかっていたらしい。というより、リレーショナーが女の人っていうのは聞いてたけど、可愛いらしい人だなぁ...。寝顔も綺麗だし、ついつい眺めてしまっていた。その視線に気づいたのか、支倉先輩が覗き込んできた。


「どうした?」
「あ、いや!な、ななな何でもないっす!」


というか、どこかで見たことあるような、ないような...。誰かの知り合いだった気が。



「あああああ!!!兄貴の彼女さんだ!」
「兄貴?...お前、巴の弟か?」
「あ、はい。」
「まじかよ...」
「な、なんで#name1#さんが方南に!?」
「巴と一緒の高校入ったからだろ、馬鹿かお前は。それと、巴とは留学した時に終わってるぞ」
「そ、そうだったんだ...なんかすんません」
「いや、大丈夫だ」


練習始めるぞ、と部長の合図で部室を出るとき、HONANとかかれた白を基調としたジャージを部長はきてはいなかった。まだ外は春といっても肌寒い。


「まだ外寒いっすよ?」
「動けば暑くなんだろ」


あとから、知った。
#name1#さんが目を覚まして風邪を引かないようにと支倉先輩のジャージを持ってきたことで、寝ていた#name1#さんにかけていたんだと。
かっこいい、ただそう思った。こんなに可愛い彼女がいたら自慢したくなるだろうけど先輩は#name1#さんを抱えてきた時も彼女だと言わなかったし、ジャージの事も俺なら彼女にかけてきたって言っちゃうんだろうけど、先輩は言わずにいたから。

支倉先輩に想われている#name1#さんも#name1#さんに想われている支倉先輩も順風満帆に幸せな日々を送っているに違いないと思った。でも、それは俺の思い込みにしかすぎなかった。
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