どれだけ君を傷つけただろう

翌日のデートの約束をすっぽかして、#name1#からLINEが来ても無視して家にこもっていた。巴とキスをしていた#name1#がフラッシュバックする一方で、落ち着いていられなくてリビングの冷蔵庫から炭酸ジュースを取り出して飲む。


「あれ、ヒース今日#name1#ちゃんとデートじゃなかったの?」
「...さぁな。つかなんでショー姉ちゃん知ってんだよ」
「#name1#ちゃんから聞いてたから」
「へぇ」
「喧嘩でもしたの?」
「別に」


仲良くやりなさいよー、なんて軽く言うショー姉ちゃんはこれから撮影らしい。

ヴ、とバイブの振動がして、見にくい画面から表示されているのは#name1#の名前。電話がかかってきたが出る気にもなれなかった。
結局その日は#name1#と連絡を取る事もなくつまらない1日を過ごした。




目覚ましがなって学校に行く準備をする。目覚ましの時間は#name1#を迎えに行くために早めの設定のままだった。今日は迎えに行かなくてもいいだろうと、いつもよりゆっくり朝食を食べた。朝練もなくて今日は余裕がたっぷりとあったが、いつも#name1#の歩幅に合わせて歩いて登校してたから自分のペースで普通に登校したら何分で着くのかすら分からなかった。あまり早く学校についても友達もいないだろう。まぁ、遅れそうになったら走ればいい、と遅めに家を出ることにした。


「ヒース!あんた何してんの!」
「何がだよ!」
「#name1#ちゃん待ってるって言ってんの!早く行きなさいよ!」
「は...んな訳、ねぇだろ」


きっとショー姉ちゃんの、間違いだろ。靴を履いて玄関を出れば誰もいなかった。


「やっぱ、間違いじゃねぇか」
「おはよう、ヒース...」
「っ!...」


ひょこっと塀から顔を出したのは#name1#だった。優しい笑顔でおはようと言った#name1#。俺が迎えに行かなかった事を怒っているようには見えないし、いつも通りだった。でも、そのいつも通りが今を俺をイラつかせる。何事も無かったかのように平然としやがって。


「お弁当、作ってきたから...はい、これ」
「....こんなのいらねぇよ」
「あっ、」


渡してきた弁当を右手で振り落とした。地面に落ちる弁当は中身こそ出ていないがぐちゃぐちゃになってしまっているだろう。


弁当を拾い上げている隙をみて俺は1人走り出した。
こんな事をしたいわけじゃない。
あいつが俺に弁当を作ってきてくれるのは毎日のこと。いつも感謝してる。バランスの取れた弁当は、美味しくて満足できるものばかりだ。朝早く起きて、俺の為に作ってくれてたのに俺は何て事をしたんだ。最低なのは俺のほうだ。お前を傷つけてるのも俺でしかない。


自分のアホみたいなプライドが邪魔をする。こんなプライド捨ててしまいたいのに...


「くそったれ...」


今走るのをやめてしまえば、泣いてしまいそうだ。傷つけた事と、こんな事をしたら#name1#と別れる事になってしまうんじゃないかという不安に押し潰されそうだったから。


だから、ひたすら走り続けた。





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