せめてこのまま愛させて

name#は大丈夫だろうか、と不安だった。巴に別れを告げられた時のように1人で泣いていないだろうか。あいつの大丈夫は基本大丈夫じゃないことは十分理解しているけれど、ずっと好きだった人がいきなり現れて動揺しないわけがない。
俺が側にいたとしても、俺は巴に嫉妬して***を慰めることもできないだろう。

まぁ、過去の話だろ?とか、そんな風にしか言えないと思うのだ。
でも、それと同時にまた巴のところへ行ってしまったらと考えるといてもたってもいられなくて、壇先生に許可をもらい探しに行くことにした。



その俺の行動が***との関係をこじらせてしまう。






***を見つけたと思ったら、巴と何か話をしていた。その後なんて、抱き締められて、キスまでしてた。

手に持っていた携帯を落として画面が割れた。

***が巴を愛してたのは分かってた。でも巴が留学していなくなってからは俺を愛してくれたんだ。その愛に間違いはなかったはずだ。手を繋いで歩くだけで冬なんて寒くもなかった。雪をも溶かしてしまうほど俺には暖かった。


いつも必死だったよ、お前を繋ぎ止めておくこと...


それなのに、こんな光景を見てしまったら今までの努力が水の泡のように感じてしまった。
結局俺は巴に勝てない。


ストライドも、恋愛も、何もかも。


欲しいもの全部奪ってきやがんだ。
いいだろ、一つぐらいくれても。そんなに欲張ってんじゃねぇよ。俺には***が必要なんだ。


「ヒース...」


***の声がした。
あぁ、そういえば探しに来てたんだった。目の前に先ほどまで巴と触れ合っていた#name1#がいた。
ただただムカついた。


「.....お前、最低だわ。お前の合図で走りたくねぇほどにな」
「ヒ、ス...っ、」


泣いたって知らねぇから。
謝りもしないで何泣いてんだよ。
見ててイライラするだけだ。


結局この日の花京院戦は10秒以上の差を付けられて敗退。
最低だと言ってからは一切***と口を聞くことはなかった。



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