光の封印

「これでおしまい!」
「出でよ、雷撃の槌!」

コレットがピコハンを落とすと同時にレイラの雷の魔術を放つ。
その攻撃が決め手となり、封印の守護者は倒れた。

――再生の神子よ。よくぞここまで辿りついた。さあ祭壇に祈りを捧げよ

「……はい!」

祭壇の前でコレットが祈りを捧げる。
けどもレミエルは降りてこなくて。いつもと違う光が溢れる。
そして、現れたのは――

「……アスカはどこ?」

見たことのない女性。封印を解放したら現れたということは精霊だろうか。

「……アスカがいなければ何もできない。契約も誓いも……何も……。私の力を取り戻すためにも……お願い……アスカを探して……」

そう言って精霊は消えた。彼女が光の精霊、ルナだろうか。
そうしてから、何事もなかったかのようにレミエルが降臨した。

「長き道のりだった。よくぞここまで旅を続けたな、神子コレットよ!」
「はい……レミエル様」
「我らからそなたに祝福を与えよう」
「……はい」

ここまで色んなものを失って、今度は何を失うのか。コレットの僅かな不安が表れていた。

「浮かない顔だな。また天使に近づいたというのに」
「いえ。とても嬉しいです」
「ふむ……? しかし神子よ。ようやくそなたの旅も終わりを迎えようとしている。喜ぶがいい。今こそ救いの塔への道は開かれる!
救いの塔を目指せ! そこで再生の祈りを捧げるのだ! その時神子は天の階に足を乗せるであろう」

レミエルの言葉に皆口々に驚きを見せる。

「……救いの塔へ!?」
「いよいよ世界再生なんだね」
「ホントに再生されちまうのか……」

コレットはそれになんの感情も乗せず返事するだけ。

「レミエル様の御言葉のままに」

レミエルはコレットの返事に満足したように天へ帰っていった。

――最後の封印で待っている。我が娘……コレットよ。
――そこでそなたは我と同じ天使になるのだ

「よくやく終わりが見えたな。救いの塔へ向かおう」
「……本当にいいの? コレット」
「……はい。だいじょぶです」

コレットの様子にロイドは悔しげに顔を歪める。

「……くそっ!」

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