序章


俺には、慕ってやまない父がいた。


実の両親が死んでしまった俺のことを、拾って育ててくれた人だ。

「アキちゃんは毎日勉強して偉いね〜!」
「うん! 大きくなったらお父さん見たいなすごい人になるんだ!」
「そうか、頑張れ!」

父は立派な人だったらしい。

幼い俺にはよく理解できてはいなかったが、「父は立派な人」らしく、街の人からの評判は上々で、俺はよくお父さんを褒める言葉を聞いたものだった。




でも、あの日――――六年前のあの日、悲劇は起った。


俺の十二回目の誕生日に。




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