序章


目の前に広がる豪華な料理の数々や、大きなケーキ。
切り分けられた肉にフォークを刺し、口に入れようとした、そのときだった。



ドンドンドンドンっ!!!



滅多に音を立てることのないドアがけたたましい音を立てた。

「お前はたべてなさい」
「はーい」




玄関に向かった父の背中が見えなくなってから五分ほど経っても父は帰ってこない。

何やら話しているような声は聞こえては来たのだが、なんともいえぬ不安を抱えた幼い俺は玄関へ向かった。



「お父さん?」


振り返った父の顔は真っ青で。何かが起ったのは確かで。

「誰?」
「やあ、君がアキくんだね」



来客――父より少し若い男性だった――が俺を見て微笑んだ。




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