メレンゲだってヤワじゃない


日曜日。
清涼な朝日が私たちのベッドを見つめるので、起きなくちゃあなという気持ちになる。

枕元のカーテンを開けて眠るのはシュガーの提案で、朝日がいちばん人を優しく起こしてくれるんだって。
真っ暗な部屋は夢とお隣だからまたすぐに戻りたくなってしまうし、お昼の太陽は元気すぎて疲れてしまう。夕陽は元気なお昼に“お疲れさま”と労る陽光だから、寝覚めには寂しくなってしまう。蛍光灯の光なんて以ての外。
優しいおはようは、やっぱり朝日なのだ。


「いいお天気だね」


ベッドの足元に腰掛けて本を読んでいたシュガーは、目を覚ました私をちらりと見遣ってから窓の外を眺めて、そしてまた手元の文庫本に目線を戻した。
シュガーはいつも私の本棚から適当な本を手に取って読んだり、私のDVDコレクションを漁ってみたり、部屋のCDラックから気紛れに音楽を掛けたりするのが趣味らしい。
退屈凌ぎが他に何もないからというわけでもなく、彼は何にでも関心を持ち色々なものからその魅力を見出すのが上手なのだ。
前に彼にそう言ったら、君に似たのかもねと言われた。
“僕の魅力を見つけることは、君の魅力を見つけることだったりするかもしれないね”
いつだったか、そう言われた。

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