──関東ラストマッチ◈承◈
さて。
ここは病室。
腰を抜かした武道は場地さんと電話してた千冬のケータイをひったくってそのまま救急車を呼んだ。
パイセンは手術室から出てきて意識がまだ戻ってない。
病室に大寿とサウスが付き添っている。
羽宮姉はまだ手術室に居る。
「姉ぇ、ちゃ"、」
「羽宮、……ぅ"っ、ぐ、羽、み…」
一虎と竜胆がドアに張り付いている。
イザナは前のソファで黙って部屋の方を見ている。竜胆以外の天竺は全員イザナのそばに控えている。
鉄太と修二は立ったまま、ただただ待っていた。
場地、千冬、武道の3人は、駆け寄ることすらできない状態の一虎を後ろから見守っていた。
真「羽宮の手術、終わったって」
ここは佐野家、今回巻き込まれた女子組とその兄弟が集まっている。あとちゃっかりドラケンと九井も居る。
イザナから連絡が来た真一郎はみんなに向けて静かに言った。
エマ「大丈夫って、?」
真「羽宮はまだ意識戻ってねぇらしい」
赤音「じゃあ、」
真「ああ、あの子は目が覚めたって」
カメラは移って病室
2人の女に大量の管が繋がれている。
パイセン「…………」
意識が戻った片方は、同じ病室の、ずっと目を覚まさない羽宮の方を眺めている。
リープして来た武道により、羽宮が一発目に金属バットで殴られてから搬送までの時間が1時間早まった。
この1時間の差以外、天竺が犯罪組織になるまでの流れは全て同じである。
この1時間の差に、何の意味を見出せるのかは、今意識のない羽宮の気力にかかっている。
イザナ「・・・」
天竺「「……………」」
大寿「…………」
サウス「…………」
稀咲「……………」
半間「…………」
イザナ「……、一虎は」
ムーチョ「とりあえず、東卍のヤツに連れて帰らせた」
イザナ「…そう。それがいい」
大寿「何があった、どうしてアイツはああなってる、何が、誰が、どうして」
サウス「落ち着けパルセイロ」
イザナ「おい、そこの」
武道「ヒッ、はいっ、」
イザナ「ゴミ捨て場で見つけたって?」
武道「…はい……」
イザナ「人影は?」
武道「無かった、と、…思うっす」
竜胆「ちゃんと見たのかよ"!?!!本当だろうな"!!!」
蘭「竜胆〜、やめろ〜?」
イザナ「………パイセンが口きけるようになってからだ。それまで英気を養え、極悪の世代」
鶴蝶「……わかった」
獅音「……ん」
モッチー「チッ…」
ムーチョ「……あぁ。」
蘭「………」
竜胆「………」
勿体ぶっていても仕方が無いので、今回羽宮姉とパイセンを襲ったヤツの正体を明かそう、
ガチのヤクザである。
では何故ガチのヤクザが羽宮姉とパイセンを襲ったのか、
東京卍會と横浜天竺の勢いを潰すためである。
流石に目立ちすぎたのだ。
特に、金の絡むような悪事はいただけなかった。
場を荒らしすぎたのだ、ガキのオイタの度を超えていた。
ヒナ達、羽宮姉とパイセンに庇われた女子組は、伝えてくれと言われたこと全部佐野家でマイキー達に伝えた。相手がガチのヤクザだったことも、身を呈して自分たちのことを守ってくれた事も全部。
ドラケン「……チッ……」
三ツ谷「…………。」
イヌココ「「……………」」
マイキー「……そっか。」
真一郎「………」
マイキー「わかった。……ちょっと、1人にさせて」
不良ってなんだろうか。
辞書によると、
ふ‐りょう‥【不良】
@よくないこと。善良でないこと。質や状態などが悪いこと。また、そのさま。
A品行のよくないこと。素行の悪いこと。また、そのような青少年。
だそうだ。
この世には、善と悪というふたつの概念が存在する。一般的に善が正義、正義が善とされ、その逆が悪という考えである。
不良というのは、良では無いということである。良い/善いというのは道徳的に好ましいことや正しいことを言う。
つまり、不良とは道徳的に好ましい状態では無い、という意味である。
では悪とは何だろうか、善の反対や欠如、不道徳なこと、だそうだ。
では、不良と悪は同じか?
否、同じでは無い。
悪というのは、集団生活をする都市的な動物である人間のうちの極わずかが、自分本位な思想を持って実行に移すことで周りに害が発生することである。
つまり、悪の主役は悪である。
人間の欲や悪は0を1に変える原動力になる。
一方、ヒーローは悪が築いた1を0にして、個を潰し多くを平和に戻す役割を果たす。ヒーローは物語上の主人公だったとしても、その存在は悪が居て始めて成り立つのだ。
ヒールが必死に築く悪と、それをヒーローが必死に潰しにかかってくる善は、人間を2つに分けた時に都合が良かった奴が多いか少ないかで決まる。
できごと自体は、元々善でも元々悪でも無い。
「勝った方が正義」のこの"勝った方"というのは武力じゃない。数である。数が多いと勝つ、それだけである。単純に人間の数な訳でも無い。金の数、武器の数、全ての総決算で勝ち負けと正義は決まる。
この世の全てに通じる善が存在しないのは、善が「多くの人間にとって都合が良い状態」の言い換えだからである。
つまりヒーローは、「多くにとって都合が悪い」悪が居ないと、存在を確立できない。
では、不良は悪のように、不良だけで成り立つだろうか。
成り立たないのである。
何故なら、不良は"良い何か"と比較して不であるからだ。
ヒーローと同じ。比較からしか生まれない。何かの副産物である。
この世に優等生という"良の存在"が居なければ、マイキーたちは不良じゃなくて平均的な生徒になる。
マイキーが悪を目指してるんなら現状何の問題もない。「悪の時代を作る」なら、このまま無免でバイク乗り回して、抗争して、周りを振り回しながら楽しんで満足すればいい。気に入らねぇもんにつっかかって足りない言葉の代わりに拳をぶつければいい。
マイキーの夢は悪では無い。「不良の時代を作ること」である。
しかし、不良が時代を勝ち取れば、それはもう不良では無くなるのだ。
なぜなら勝ったやつが正義だから。お前らのやってるそれが良への挑戦やら反抗じゃなくなるから。不良という概念から飛び出してしまうから。
特服を着てバイクに乗って、人殴るコスプレが不良か?違うだろ。
胸ぐら掴んで掴まれて、意味わかんねぇクソ強いパンチを食らって、反撃のパンチ繰り出して、よろけて肩並べんのが不良だろうが。
喜びより心地よい痛みで繋がってんのがお前らだろうが。
不良の時代は、たった今体感することはできない。
未来から振り返って、思い出になった時に、やっと不良の時代になる。
ドラケン「……マイキー、」
マイキー「ケンちん、、、」
ドラケン「オレは、どうなってもお前について行く」
────────────
一方その頃病院では…
ケーサツが来てんのにPTSDのフリしてシラこいてるパイセンと、何も聞き出せないせいでやり返しのひとつもできないからそろそろピキって来ている天竺及びwithB及び死神とピエロの姿があった。
一虎はもう数に入れないでおこう、寝てるのか死んでるのか分からない状態で姉ちゃんの集中治療室の前のベンチに座っている。
パイセン、本当に何も答えねぇ。
怖い、覚えてないの一点張り。
お前がそんなか弱い女なわけないだろうが瞳の闘志消してから言えや、の気持ちである。
イザナ「何か1つでも覚えてることあんだろ」
パイセン「怖くてひとつも覚えてないわ」
イザナ「嘘つけ見え見えなんだから諦めて吐け」
パイセン「覚えてないんだから何も言えないわ」
イザナ「ホントあんた💢」
面会時間ももう終わりだ、看護師に帰れって言われた。
連中がぞろぞろ帰っていく中、年下の彼氏が呼び止められた。
パイセン「たぃちゃん」
大寿「なんだ?なんか要るもん」
パイセン「嫌いよ、別れてちょうだい」
一同「「「!?!!!!?!」」」
惚気聞く気なんか全くなくてさっさと帰ろうとしてたところに、とんでもない会話が聞こえてきちまった。
サウス「…………」
大寿「・・・は?」
パイセン「もうアナタなんか大っ嫌いよ、今すぐ別れて。」
大寿「な"、んでだ!!!!」
パイセン「暴力男のくせに、助けてくれないから。」
大寿「・・・、」
パイセン「助けてくれない頼りない人なんか大嫌い。別れて。」
大寿「っ"、〜〜〜"!!!」
怖い女である。
1番抉ってくるようなワードをツラツラ並べている。
パイセンは心の底からたぃちゃんが大好きだから、たぃちゃんへの理解がエグいのだ。弱点もよく知っている。弱点ですら愛おしい。
大寿がタダの高一の男子に戻るのはパイセンの前だけだナなんて現実逃避をしている天竺の皆さんはチベットスナギツネ状態だった。
半間?半間はバリ笑ってる。
大寿「本気で言ってんのか"!!!!!」
パイセン「私、1つでも間違ったこと言った?」
女はどこまでも女優になれるのだ。
大寿「は、……はは、」
パイセン「2度と顔見せないでちょうだい」
見たら寂しくなっちゃうから。
本音を、溢れる愛情にくるんで隠した。
天竺も歌舞伎町コンビもサウスも、人の恋路に首突っ込むほど野暮じゃない。
すれ違ってんのなんか大寿以外みんな分かってる。
信じらんねぇ、何で真に受けてショック受けてんだお前。この女がお前のこと嫌いになるなんてありえないだろ。またいつもの意味わかんねぇワガママ言ってんだよこの女は。振り回されてんだよお前どころかこの女も。
みんなそう思ってる。思ってるけど口に出さない。
崩れた大寿をサウスが抱えて帰った。流石相棒である。
たぃちゃんにフラれちゃった。フッたの私だけど。
気分を何とかしたくてトイレに行こうと立った。
パイセン「なんで帰ってないの?」
蘭「さぁ?何でだろうなぁ」
パイセン「・・・」
蘭「まだ傷治って無いのに、抜け出そうとする女のためかもなー」
灰谷蘭、こういう所な。
パイセン「……………。」
蘭「別に説教なんかしねーよー?けどアンタらしくねぇな、生傷も治ってなかったら流石に相手も萎えるんじゃねーの」
パイセン「…………」
蘭「治ってからなら、協力してやるぜ?」
分かっただろうか、天竺の梵天様はこういう風に出来ていった。
灰谷蘭は大寿をフッたパイセンに、自ら利用されに行くことで、次の男になろうとした。
だからこそ羽宮姉が死んだ世界線で1番後悔しているのは灰谷蘭なのだ。
パイセンを梵天様にしてしまったのは灰谷蘭である。
好きな女に見られて嬉しかったのなんて一瞬だけだった。羽宮の葬儀の時には既に、病んで朽ちていく愛する女が見てられなくなっていた。
誰が平気でいられるだろう。羽宮の葬儀時点のパイセンはもう、睡眠の為なのか精神の為なのかわかんないくらいの向精神薬を常飲して、ヤク中の春千夜よりヤク漬けの体になっていた。副作用で突発的に起こる希死念慮や自殺企図、寝れなくて飲みすぎて何回洗ったかわかんない胃と、何回解毒の点滴打ったかわかんない腕。オレがあの時あんなこと言わなければ、今頃柴と幸せになってたのかもしんねぇ。オレは結局ヘビで、堕とすだけ堕としといてアンタを幸せにすることはできなかった。
その激重後悔の結果、今回武道はタイムリープしてきたのだ。
今、18歳の蘭は知る由もない。
さて、パイセンが今頭の中で考えていることは、羽宮姉をこんな状態にしたガチヤクザを全員枕で潰して内部分裂を誘発させた後、海外に高飛びしてその後はもう知らない、なんてことである。
ヤケクソの一言に尽きる。
完全にできんワケでも無いのが逆に難儀である。
止められたくないからたぃちゃんをフッた。
けど、止めてさえくれなかったら耐えられないから何も言えなかった。
この世界ではまだ起こってないが、羽宮姉が死んだ世界線では、羽宮姉を襲った犯人を教えてくれないパイセンの後をつけて、枕した相手から潰して回って大元まで倒した奴がいた。何を隠そうイザナとサウスである。
天竺はイザナに着いて行った結果、大犯罪組織になった。
サウスはパイセンのやりたかったことを手伝ったあと、フラれたまんま傷心から立ち直れず停止して何も知らない大寿のところに戻った。突き放された大寿と連む未来を選んだ。パイセンが大好きで感謝しているから、パイセンの手元から離れて、パイセンが心配している大寿の所に居座ることを選んだ。
だから「全部知っててヴィーヴォっ♪!!」なのである。
事件の翌日、東京卍會最後の集会が開かれた。
そう、これが最後の集会である。
初代総長、佐野万次郎が叫ぶ。
「みんな聞いてくれ!!」
一虎もいる。特服さえ1人で着れなくても、場地と春千夜が肩を支えてやっと立ててる状態でも、一虎は東京卍會の伍番隊隊長だから。
「昨日!!幹部の姉ちゃんや妹が襲撃された!!」
\ザワザワザワ………/
春「……」
虎「……」
「襲ってきた相手はヤクザだ!!!!」
\ザワザワザワ………!!!/
喧騒が酷くなる。
みんな、ヤクザに乗り込むと思っている様子だ。
しかし、
「本日をもって
東京卍會は解散する!!!!」
「「「「!?!!!!?」」」」
春「はっ!?」
場「なっ、何でだマイキー!!!
オレたちで!!姉御殺ったヤクザ…!!」
ドラケン「……………」
三ツ谷「……………」
パー「…………」
「オレたちはオレたちの心の中に、忘れることの無い不良の時代を創った!!!
……これ以上大きな犠牲なんて要らない、そう思うくらい、オレはお前たちが大事になった。」
「だから忘れるな!お前たちは今日、今、この時!東京卍會の大事なメンバーだった!」
・
・
・
・
春千夜「マイキー"!!」
マイキー「ん、」
場地「なんでだよ!!オレたちでヤクザ」
マイキー「それ、喜ぶ?」
場地「は?」
ドラケン「あんま絡みねーけど。オレらが元気で一虎と仲良くやってる方が、喜ぶ姉ちゃんなんじゃねーの」
場地「っ"、」
マイキー「無駄にしねぇよ。一虎の姉ちゃん、エマのこと庇ってくれたんだってさ」
場地「なら!!」
ドラケン「うるせぇ、総長がこう言ってんだよ」
マイキー「一虎!ほら家帰るぞ!!」
虎「…………」
同時刻、格闘バー:テラノにて。
柴大寿と寺野サウスの前には花垣武道の姿があった。
武道「(怖すぎる……)」
サウス「だとよ?どうする」
大寿「………オレが、お前の寝言を、信じるとでも思ってんのか?」
武道「後悔して欲しくないから来ました」
大寿「………」
武道「信じてもらえるとなんか思ってません。けど、今ここで大寿君にこの話しなかったら、オレは絶対後悔するから」
サウス「………」
武道「未来で、蘭君に頼まれたんです。「絶対無事で柴の所まで連れて行け。暴れても何しても押さえつけてでも連れて行け」って。」
サウス「ランが頼んだのか!ハッw、悲愴な未来もあったもんだな!!」
武道「羽宮さんに、「アタシ達の未来だけはリベンジするな」って言われた約束、破ります。」
大寿「………」
武道「オレは、みんなに幸せになって欲しいから」
普段ピーピー言ってるとは思えない男前な顔である。
大寿「お前の寝言を信じたわけじゃねぇ。けど、お前の必死さは買ってやる」
サウス「へへっ…w、ランに盗られる前にさっさと病室に戻るぞ」
大寿「わかってる」
\ガラララ…/
病室の戸が開く。
パイセン「なんっ、え……?」
大寿「……………」
大寿は横の椅子にドカりと座った。
パイセン「……………」
大寿「……………」
パイセン「……私、あなたのことフッたよね…」
大寿「了承した覚えはねぇ」
パイセン「は、?」
大寿「オレがどこにいようがオレの自由だ」
武道おめでとう!!
これで梵天様ルートは回避した!!
この時点で、未来の蘭に頼まれた「パイセンを大寿に引き渡すこと」はやり遂げた。
…しかし、武道は未来に帰れなかった。
明日になったら羽宮さんが起きてるんじゃ無いかと思って、帰れなかったのだ。
────────────
梵天様ルートは回避したって言ったな、
大犯罪組織天竺ルートは回避してない。
パイセンが口を割らないことに加え、大寿とサウスのガードが堅くなった事でまどろっこしい事が嫌になった天竺の国王は、襲われて昏睡してる国民1人の寝顔を見ながら、裏社会に喧嘩を売ることを決定したらしい。
イザナ「はい、これパイセンの。」
王自ら姫に特服を渡しに来た。
大寿「…………。」
イザナ「柴、お前らデカくて大変だったんだからな。サウスにも大事にしろつっとけよ」
大寿「オレは頼んでねぇ」
イザナ「うるせぇお前も国民だ」
大寿「オレの国籍は横浜インドじゃねぇ…日本だ……」
イザナ「うるせぇな1回くらい滞在してから言え、価値観変わるかもしんねーだろうが」
大寿「誰がそんな1ヶ月留学しただけで海外かぶれになる女みたいなことになんだよ…」
パイセン「なんで、、こんな、」
イザナ「なんでって?」
パイセン「止めて、危ないことしないで、」
イザナ「アンタが悪い」
パイセン「ムグ、」
大寿「おい黒川、」
イザナ「アンタが、教えてくれないのが悪い。アンタのせいで柴もサウスも、稀咲も半間も巻き込まれる」
黒川イザナ、恐怖で人を支配するのが天才的に上手な男である。
パイセン「そんなことではぁちゃんが喜ぶとでも思ってるの…?」
イザナ「アイツは天竺の国民だ。国民のアイツにケチつけるってことは、王のオレに喧嘩売ってんのと一緒なんだよ」
「不良の時代をつくりたい」佐野万次郎とは違う。
黒川イザナの夢は「オレらの国」。
国に善も悪もない。
王である黒川イザナが全て。
それが天竺である。
イザナ「\また来る/」
パイセン\………気をつけて帰ってね/
イザナを心配するやつなんか、エマかパイセンくらいである。や、爺さんと真一郎もうるさい時はうるさいか……。
大寿「冗談はナシだ、アイツを巻き込むつもりはねぇぞ」
イザナ「巻き込む?巻き込んでんじゃねぇ、パイセンは天竺の大事なクライアントだ」
大寿「は?」
イザナ「天竺はパイセンの残した金で、ここから再生する。」
大寿「………」
イザナ「むしろ呼んでやってんのはお前とサウスの方だ。あの女付きっきりで守るやつなんてウチに居ねぇぞ?心配だったら3月15日、大人しく横浜の第7埠頭まで来い。」
嘘ばっかりである。
パイセンが1人で震えてたら天竺幹部みんな護ってくれるわ。
こんなに煽られてなぜ大寿が手を出さないのか。
自分がイザナに負けるからじゃない、
パイセンが売春上がったんだ。
大寿も暴力は封印する、それだけだ。
3月15日、横浜第7埠頭で何があるのか。
天竺決起集会である。
黒川イザナは大人の闇社会に喧嘩を売る。
いや、イザナ自身は闇社会から売られた喧嘩を買った気でいる。
何にせよ、天竺は犯罪組織として再生する方向に向かって行った。
天竺決起集会のプログラムはこうだ、
天竺が関東牛耳ることに文句のあるやつが挑戦者として挑むのを天竺が迎え撃つ、そして王が認めたやつが入る
以上である。
────────────
今は3月15日の13時。
横浜第7埠頭に天竺、
及び半ば拉致られて喧嘩相手にされて勝手に国民にされかかってるガリ男やら反泉やらの来賓が並んでいる。
そして、
天竺国王:黒川イザナ
天竺四天王筆頭:鶴蝶
天竺四天王:斑目獅音
天竺四天王:灰谷蘭
灰谷竜胆
天竺四天王:望月莞爾
天竺親衛隊:武藤泰宏
寺野サウス、パイセン、柴大寿
半間修二、稀咲鉄太
羽宮一虎、三途春千夜
上記メンバーが朱色の長ランを着て、国の行く先を眺めていた。
パイセンは運ばれてきて大寿に寄りかかってスヤスヤ寝ている。仕方ない、病み上がりだ。
なんでサウスが居るかって?
アイツはあんまり絡みねぇ武道の結婚式にノリノリでくるノリのいいヴィーヴォである。呼ばれたら来るだよ、さっちゃん。
……一虎が何で居るかって?
一虎は今放心状態である。
もう前後さえわかってない。
姉ちゃんが目を覚まさなくてもうそろそろ1ヶ月経つ。
頭、金属バットで殴らた後、チェーンカッターでもう1発やられてるらしい。
もう目ェ覚まさないかもって。
今息してるこの状態が奇跡なんだってさ。
何で、オレの姉ちゃんだけこんな目に合うわけ?
返してよ、オレだけの姉ちゃんなんだよ。
そんなことずっと考えてて、ご飯すらまともに食えなくなっている。
丁度いいところに東京卍會が解散した稀咲とイザナは、一虎を国民に迎えることで一致した。
三途春千夜は、天竺に拉致られた一虎を追っかけるようにマイキーに頼まれた。
仕方ない、もうハロウィンの時みたいに抗争できないんだ、東卍は解散してしまったから。
だから、武藤さんに頼んで天竺に入れてもらった。
日の昇っているうちは前座だ。
本番は日が暮れる頃。
プログラムの最後のチャレンジャーは、
解散したはずの、東京卍會である。
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