Daisy Bouquet
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 掴まった白い袖をゆっくりと辿ると、柔らかな笑みがヒナタを迎えた。
 蕩けるような甘さを孕んで、ヒナタを見つめる、理由なんてやっぱり分からないけれど。これはデートなのかな?
 ああ、このままずっと、時間が止まればいいのに。




――ネジ兄さん。
 白く澄んだ朝、そっと零した名前は、素敵な夢の余韻を一層輝かせた。



*Daisy Bouquet*/1
(朝のしずくを ぜんぶ集めて あなたの空へ届けたい)




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