13
月神香耶side
上田にはがっつり三週間滞在した。
佐助君の怪我は全快、とまではいかなくてもとりあえず動き回れるくらいには良くなった。
そろそろ先に進まないとなぁ……。
風魔君もこの任務にかなりの日数割いてもらったし、普通に考えて半兵衛君たちもとっくに小田原についてるはず。
ということで、佐助君とはお別れである。
「長い間引き止めてごめんね。俺様も里に帰らないと抜け忍になっちまうから」
「それはマズイねぇ。私は仲間の説教が怖いのであんま帰り(?)たくないないんだけど」
「…………」
風魔君が私の肩をつかんだ。
あ、本気にした? 心配しなくてもちゃんと仲間の元に帰る……っていうか、小田原に向かうって。向かわないわけにはいかないでしょ。
というわけで、かねてから作っていた、佐助君用の特殊武器を前に出す。
「あれ、これって……」
「城下町のバサラ屋さんと風魔君にも助言を貰って作ってみた、忍び大型手裏剣」
指をかけて、手のひらでぐるりと回すと、闇の生命エネルギーを感知して普段たたまれた刃が飛び出す。これでこの武器の臨戦状態だ。
「どう、佐助君。かっこよくない?」
「自分で言っちゃうんだ……俺様にもやらせて。俺様のでしょ、それ」
佐助君は、まるで新しいおもちゃを開けるときみたいにきらきらした目で手裏剣をいじる。闇の婆娑羅に呼応するそれは佐助君の力を効率よく引き出すことができるようだ。
「すげぇ……」
「気に入ってくれたみたいで良かったよー。……ん? どうしたの風魔君?」
「…………」
「え? 自分にも作ってほしいって?」
「…………」
「いやー、でも私、火と闇の婆娑羅武器専門なんだよね。他の属性も作れないことないけど、ここまで良い出来にならないっていうか」
「……(ガックリ)」
「なんで会話が成立するんだろうこの主従……」
風魔君の婆娑羅は風だった。
※筆者用メモ。死ぬ気の炎と婆娑羅属性対応一覧
火→大空
雷→雷
氷→雨・雲
風→嵐
光→晴
闇→霧・夜
雲と霧の振り分けに関しては苦肉の策…