―ハクタイジム―


「たのもーっ!!!」

その声と共に、ジムの扉が勢い良く開かれた

「ジムリーダー!俺の挑戦受けてくれ!!」

そう言いながら意気揚々と中に入ってきたのは、二つ目のジムバッジを手に入れようと張り切る天雅

するとその声を聞いて、奥からジムリーダーらしき女性が姿を現す

「ようこそ、ハクタイジムへ!……って、あら!?」

しかし相手は天雅を見た途端、みるみる頬を染めて固まってしまった


「いやぁぁーっ!素敵ーっ」

しかし途端に我に返ると、次の瞬間凄まじい勢いで天雅に駆け寄った

「えっ?なっ、何っ!?」

静から動への移り変わりの早さに付いていけず、天雅はどう反応していいか分からなかったが、女性はお構い無しに喋り続ける


「今までいろんな人がこのジムに来たけど、こんなカッコいい挑戦者初めてよぉーっ!ねぇ、名前教えてちょうだい!?」

「えっ、名前?天雅だけど………」

「天雅君ね、名前も素敵!私はハクタイジムリーダーのナタネよ」

ジムリーダー・ナタネのあまりのテンションの高さに若干後退りしてしまう天雅だが、ここで来た道を戻るわけにもいかないと踏みとどまる

「よ、よろしくな。早速だけど俺とバトルしてくれよ!」

「いいわ、カッコいいからって手加減しないわよ?」

そしてようやく本来の目的に話が戻り、二人はそれぞれフィールドの両端に描かれたトレーナーサイドへ向かう


「これより、ジムリーダー・ナタネとチャレンジャー・天雅による、ジム戦を始めます!!」

ナタネと天雅が位置についたのを確認し、審判がジム内にその声を響かせる

「使用ポケモンは二体、どちらかのポケモンが二体とも戦闘不能になった時点で試合終了となります!!」

(今回は使用ポケモン二体か……それなら)

「それでは両者、ポケモンを!」


「よし、私の一体目は……チェリンボ!出ておいで!!」

ナタネのボールから出て来たのは、さくらんぼポケモンのチェリンボ
小さい方の実が揺れる度に、果物の様な甘くとろける香りが漂ってくる

「へぇ、チェリンボか……」

姿を現したチェリンボに天雅は興味を抱き、ポケモン図鑑を取り出して相手のデータを読んでみた

『チェリンボ、さくらんぼポケモン
進化に必要な栄養分が小さい玉に蓄められている、とても甘くて美味しいらしい』


「ふーん、甘いんだ………美味そう」

ぎらり、天雅の眼が危険な輝きを放ったのを見て、手持ちのポケモン達はそれぞれボールを揺らして必死に叫ぶ

「マスター!あれは食べちゃダメだよ!!」

「そうだぞ兄者!早まるなーーーっ!!!」



ボールが壊れそうなくらいガタガタ揺れたのを見て、天雅はハッと我に返った




「だ、大丈夫だって!いくら俺でも取って食うような真似しねぇから………」



「天雅……………………………涎垂れてるぞ」




「ちっ、違う!断じて違う!!!これは汗だっ!!!」



天雅は必死に首を横に振って否定した




「ゴホン………………………チャレンジャー!早くポケモンを!!」



その時、少しイラついた感じの審判が天雅に呼び掛けた



「あ!今、今すぐ出します!!」



話は大分それていたが、一応今はジム戦の最中である



天雅はいつもの落ち着きを取り戻し、バトルの時の表情に変わった




「俺の一体目のポケモンは………………炎神!お前だ!!」


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