あれは、遠い遠い昔の話。では、なく1年前の話。埼玉県のとある河川敷にて、とある喧嘩が始まろうとしていた。

「おいおい、始まるぞおいぃい!!」
「いやいや、落ち着けって。興奮すんじゃねえよ。」
「お前らうっせえんだよ!!」
「「てめえが一番うるせぇ!!」」

河川敷の周りを囲むように大量の不良が群れ、その中心の4つの高校の代表たちが張り詰めた空気で睨みをきかせている。今まさに、埼玉県の4大高校による埼玉統一頂上決戦が始まろうとしていた。


城南高校、通称南校に集まるのは県内でも比較的温厚な生徒。無意味な喧嘩だと参加を渋っていた彼らだが、負ける気はないのか仲間同士背中を合わせ、周囲にバチバチと殺気を放っている。
「さっさと終わらしてやる・・・」
「おいおい、言いだしたてめぇらがビビってんじゃねえよ。」
「俺らを無視して頂上決めようたぁ、いい度胸じゃねえか」


北山商業高校、通称北校に集まるのはガタイの良い屈強な男たち。背後に控えた番長を筆頭にその大きな身体で周囲を威圧しながら、ドスのきいた低い声で唸る。
「どうせ、結果は見えてんだ。」
「そうっすよね!・・・怪我したくないなら、消えろっ」
「帰るなら今のうちだぞ、お前ら!!」


西浦高等学校、通称西校に集まるのは角材やバッドなどそれぞれが得意武器を持つ喧嘩好きたち。今回の喧嘩にも武器を持参し不敵な笑みを浮かべている。
「勝てばいいんだよ。勝てば。」
「悔しかったらお前らも武器持ってこいよww」
「ま、どのみち勝つのは俺だけどなぁあ!!」


埼玉北高校、通称北校に集まるのは制服を好き勝手に着くずし頭をカラフルに染めた男たち。ほかの高校同様、喧嘩が始まるのを今か今かと待ち構えていたのだが。
「おい、っボスはまだかよ」
「・・・俺は朝から一度も見てねえぞ。」
「ぅえっまじか!?頭いねえのっ?」
「まさか、また寝坊。おい、朝の係はだれだっ」
「誰って、今日はお前じゃ・・・」
「・・・やべっ」

ドンッ!! ドドンッ!!
河川敷の小高いところから、小さい和太鼓をもった男が叫び声をあげる。
「僭越ながらぁぁッ、合図をさせていただきますっ!!・・・埼玉統一頂上決戦っ」
「「「「開催しまぁぁぁぁっす!!!」」」」

周りの群衆の唸り声と同時に4つの塊がぶつかり合いをはじめた。






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