すごくあなたに会いたいです。
そんな言葉で締めくくられた手紙を読んで、心臓が痛いくらいに激しく脈打つ。
毎日会って、言葉を交わして、時間があればデートだって重ねている。恋仲になってからというもの、仕事が終わってから真っ先に会いに行く相手は彼だ。
恋人であるユヅキの誕生日に彼へ宛てた祝いの手紙への返事。もちろん誕生日当日は直接プレゼントを渡し、彼の為に料理を作って二人で食べた。一緒に過ごしたのに手紙を書くのはおかしいかもしれないと思いながら、顔を見ると照れてしまって上手く伝えられない気がした言葉を文字にした。
まさか返事をもらえるなんて——否、彼の性格を考えれば丁寧に返事を書いてくれるであろうことは予想できていたけれど、その内容だけでこんなにもドキドキしてしまうなんて。

嗚呼、やっぱり恋をしている。

ユヅキに告白されたのは半年ほど前のことだった。どうかこの恋心を受け入れてほしい、と。正直、告白されるまで彼のことは特別に仲良しの友達、くらいの認識だった。しかし告白されて内心舞い上がる自分がいることに気付いた。
もしかしたら、自覚していなかっただけで、ずっと前から彼を異性として意識していたのかもしれない。

手紙を読んでいたら、自分も無性に恋人に会いたくなってしまった。何日も会えていないわけでもないのに大袈裟かもしれないけれど、少し離れているだけで恋しくなるのだから我ながら重症だと思う。
気付けば自然とつゆくさの里へ向かっていた。

「ナナミ、会いに来てくださったんですか?」

ちょうど仕事がひと段落したところだったんです、とユヅキは笑う。

「今日もあなたに会えたので、いい日になりそうです」

お茶を淹れながらそんなことを口にする恋人の姿に、恥ずかしくなる。心なしか口にした本人の頬も少し赤く染まっているような気がした。
付き合い始めて半年経つのに未だに彼と目を合わせると照れてしまうこともあるし手を繋ぐだけでドキドキする。きっと一生慣れることはないのだろう。

「……ナナミ、ボクと出会ってくれてありがとうございます」

ぽつりと独り言のように漏らしたユヅキの言葉。そんなの、お互い様だ。こちらこそ、出会ってくれて、好きになってくれてありがとう、なんて。