翌日の朝。
マネージャーの件は色好い返答を貰えたという監督に、三年生全員で夢咲の選手について話すと、すぐにでもデータを集め“させる”わ!と胸を張っていた監督から凄まじいデータ量を拵えた書類が部員全員に配られた。
「夢咲中は、私達がジャバウォックと戦っている間に全中であの帝光を一蹴して全中制覇をしていたみたいね…」
「村上くんの代も決して弱くはなかったです。キセキの世代が抜けた直後とは言え、あの帝光中がダブルスコアで負けるなんて…」
「それだけレベルの高い選手が多かったのよ。調べたら簡単に試合動画が出てきたんだけど、一人一人のプレイにミスや余計なプレイが無い。
全員がエース級の実力者で、しかも彼らのプレイにはそれぞれ決まった得意分野というのを感じないわ」
「どういうことだよカントク」
「要するに、誰がどのポジションに立たされても戦えるのよ。決して圧倒的なチームじゃないのに、隙がない。リバウンドを逃さないし、そもそも高さで勝負するつもりがないのか、リバウンドなんて起こらない。外さないのよ」
「…凄いですね」
「ええ、間違いなく素晴らしい才能の持ち主だわ。特に今、鉄平や火神くんの抜けた
敵になったら厄介だわ、と告げる監督のリコ。そんなリコに黙り込んでしまう部員達だったが、もうじき新入生が来てしまう。
例年の数倍の人数が集まった新入生。さて何人生き残るのやら、と先輩部員達は肩をすくめるのだった。
「あ、そうだ。紹介しとくわ、おいで」
リコはそんな新入生たちより少し先に、と体育館の扉に向かって声をかける。