自己紹介


自分が男子テニス部に入部するということで、部室に向かうことになった。部室までの道のりで、去年暴力沙汰で大会出場停止処分に遭ったこと、学校から部費をもらっていない事を教えてもらった。暴力沙汰というのには耳を疑ったが、実を言うと去年の所属していた人達や顧問から理不尽な扱いを受けていた2年生を転校してきたタチバナさんが助けるためにやむを得ず行ってしまったことらしい。そのせいで学校からは男子テニス部は認知されておらず、顧問も部費もないそうだ。ひどい話である。

「じゃあ、自己紹介しないとな」

部室についた自分達。タチバナさんの言葉で自己紹介が始まった。

「俺は橘桔平。3年で部長だ。これからよろしくな」
「2年の神尾アキラ! よろしく! 一応副部長な!」
「仕事なんてしてないくせにね……。2年の伊武深司」
「同じく2年、桜井雅也だ! よろしくな!」
「内村京介……。よろしく」
「あ、京介も2年ね。俺は森辰徳! 2年生! よろしくね!」
「2年の石田鉄だ! よろしく!!」

「桃城雅美です。これからよろしくお願いします!」

自己紹介の仕方で大まかな性格を感じ取ることができた。伊武さんにはガツガツ行ったほうがいいかもしれない。
よろしくお願いします、といったあと皆さん返事をくれたのでとても心が暖かくなった。

「桃城! お前ってテニスやるの?」
「はい」
「じゃあ審判できるんだ」
「一応……」
「へえ……! だからラケットケース持ってたんだね!」
「え……ああ。そういえば持ってましたね」

森さんに指摘されて思い出した。もともと女テニに入るつもりだったからラケットを持参していたんだった。右肩に掛けられたケースの中には3本のラケットが入っており、突然のラケットの破損にも対応できるようになっている。

「ラケット何本も入ってるってことは、あれだろ? 長い間やってるんだろ? 今度俺らと試合しようぜ!」
「……はい!」

願ってもない言葉に大きな声で返事をした。神尾さんのようなとても早いスピードタイプなんてなかなか対戦する機会がないので嬉しい経験だ。できれば兄のようなパワータイプの方との経験もあるといいので石田さんと試合をしてみたい。

「正直言って、マネージャー業は部員が少ない分あまりないからな。練習に参加するのは全然構わんぞ」
「わ……ありがとうございます……!」

橘さんのその言葉で多少の練習参加が可能となった。あの練習メニューをやるとなると体力がつきそうだ。弱点であるスタミナを克服するチャンスなんてそうないから、本当にありがたい。

「本当に、ありがとうございます……! これから頑張ります!!」

これからの生活が楽しみだ。

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