ばいおとはんたー





こちらbio無印と狩人混合というとてもできの悪い作品です。しかもとても中途半端なところで止まっています。
大丈夫な方のみスクロールしてください。



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H×Hの世界とbioの世界が繋がっていたら

イルミ双子妹主
ミツキ=ゾルディック




迷い込むプロローグ編






いつの間にか鬱蒼とした森の中を走っていたようだ。
今日の朝。父が突然私を抱えて何処かに連れて行ったと思ったら、よくわからない場所に降ろされた。最初は捨てられたのかと思ったが、どうやら違うらしい。いつの間にか私の服のポケットに入っていたメモには父の字で生きて帰ってこいと書かれていた。そして下には祖父の字で仕事の内容が書かれていた。ああ、これは仕事だったのか。仕事の内容を確認すれば、アメリカ ラクーンシティ近郊の館及びその周辺に徘徊している化物を全滅させろ、とのことだった。化物がどの程度のものかよくわからないし、今まで私は対人の仕事しか請け負ったことがないのでこれには首を傾けた。とりあえず、これを終わらせなければ家に帰ることは許されないので、あまり深く考えずに遂行してやろうと決意したのだ。
そして今に至る。鬱蒼とした森には血の匂いが充満していて、正直に言って不気味だ。私が不気味っていうんだから、一般人からすれば恐怖の域だ。適当に走って周り気配を確認すると大量の何かがここ一帯を徘徊しているようだ。少しでも音を出せば来てくれるような気もしたが、ここはサメを集める方法と同じものを使おうか。
慣れた手つきで腕の血管を失血死しない程度に傷つけ、血を地面に落とす。そうすれば罠にかかった化物共の足音のようなものが大量に聞こえた。自然と背中に背負われている仕込み刀に手を伸ばす。日傘に仕込まれた得物は私のとても大切なものだ。レースの付いた可愛らしい日傘には、刀が仕込まれているだなんて誰も考えないだろう。
ガサリ、と音がなった。

「グルゥ!」

飛び出してきた犬……と思われるものの首を跳ねる。数えてみれば軽く10頭ぐらいはいそうだ。体に血が付着しないように首を跳ねていく。よくよく見ると奴らはドーベルマンやピンシャーを彷彿とさせる姿をしているが、目が死んでおりところどころ肉が抉れて血が出ている。これはなんなんだ。

「気味が悪い」

他に寄ってくるような気配はないから先に進むことにする。それにしても、この犬共があのメモに書かれいた化物に間違いないが、この先にあるはずの館には範囲が狭まる分密集しているということだろう。
面倒くさい。一般人よりも殺傷能力は高いし、体力もありそうだ。なんて面倒くさい仕事なんだ。まあ、双子の兄は鋲という対人にしか効果が得られない武器を使用しているし、父も肉弾戦が得意だから私に目処が立つのもわかる。でも、普通に考えて12歳の少女をこんなわけもわからない化物のもとに向かわせるだろうか。改めて家庭の異常さに気がついた。まあ、毒の盛られたご飯が出てくるところから異常か。

「ここ……か」

数分疾走れば辿り着いたのは、館と言うよりは洋館という表現が似合う建物。この森も不気味だが、この洋館のほうが数倍異様な雰囲気を醸し出している。直感で近寄るな、と頭が警笛を鳴らしていた。ここは絶対に入ってはならない。
仕事、と自分に言い聞かせて私は洋館の扉を開けた。

「必ず、戻ってくるよ」

私は父さんの子だから。


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