読みにくいぽけもん



「アローラって……こんなに暑いの……?」

生粋のシンオウ人にはキツイものがあるよ。


私がなぜこの地、アローラにいるのか理由を語るならばそれは約一ヶ月前に遡る。
イッシュリーグ四天王の一角を担うギーマさんが突如としてリーグから姿を消したのだった。ミツキを後継者にするという書き置きを残して。伝説のトレーナーがイッシュから姿を消したあと、私はギーマさんに弟子入りして日々パシり……ぐふん! 修行の日々を2年以上送っていた。そんなある日。突然いなくなった。
居場所を求めてギーマさん行きつけの賭博場に行って聞き込みに行けばなんと、人生を賭けた大一番の勝負で大敗したらしい。それはまあ……なんというべきか。あの人の勝負師としての勘は侮れないからにわかには信じられなかったが、突然夜逃げのような形でいなくなっていればその理由にも頷ける。とは言っても、あの人はイッシュリーグの四天王だ。収入は考えられないほど入ってくる。だからそのまま四天王を続ければ良かったのに、とも思えるのだ。
正直に言うと、このギーマさんの夜逃げにアイリスちゃんを含め多数のリーグ関係者は頭を悩ませた。後継者を決めて出ていったのはいいが、まだ私の実力は四天王に遠く及ばない。そんなやつを四天王にしていいのかという悩みだ。そう思われて悲しいけど、その通りなんで素直に私もその話題をスルーして何度も臨時会議に臨んだ。
そこでわかったのが、ギーマさんは今海を超えているということ。ギーマさんがサザナミ湾近海でマンタインに乗ってサメハダーと共に波乗りをしていたという海パンやろうからのタレコミだ。それ以外にギーマさんの目撃情報はなく、カトレアさんの「彼はイッシュにいないわね」という一言でギーマさんイッシュの奥地に逃げてる説は崩れた。
なら彼はどの地方に? という議題になった時、このことを小耳に挟んだシロナさんが各地方のチャンピオンに掛け合って目撃情報を探してくれた。が、努力も虚しくリーグが設立されている地方からは目撃情報が皆無だった。ついには死亡説まで流れ、リーグ内会議室が葬式のような雰囲気になった時、一つの吉報が届いた。
それはアララギ博士からのもので。ギーマさんの目撃情報があったらしい。詳しく聞くと、それは夢の狭間研究で有名なバーネット博士からのものらしく、アローラ地方のウラウラ島というところで目撃情報が多発していることがわかったのだ。
まあそんなわけで、私はギーマさん強制送還の任務が言い渡されたのだ。ちなみに一年の間で捕まえてこなければいけないらしい。なんてこった、無理ゲーじゃねえか。その間ギーマさんの席には私ではなくリーグ制覇したキョウヘイくんとメイちゃんが交代でやっていくらしい。ごめんね、歳上の私が弱くてっ! 
と、こういう経緯で私はアローラにやってきたのだ。よく一週間ちょっとでいろいろな手続きできたよね。全部全部アイリスちゃんとシロナさんのおかげなんですけど。私は荷造りぐらいしかしてません本当にありがたいです。

「マリエ、シティ……。なぁんかジョウトのエンジュシティに似てるなあ……」
「ん? お姉さん観光客かい?」
「え、ああ。はい」
「ここマリエシティはジョウト地方からやってきた職人が手掛けた建物がほとんどでね。特にそこのマリエ庭園なんかは地元民からも人気の観光スポットなんだ」
「へえ……そうなんですか!」

ジョウト地方、なんだか懐かしい。このまま観光していきたい気分だったけどギーマさんの件があるので情報収集に回ることにした。バーネット博士からの情報ではウラウラ島での目撃情報しかないので最初にこの島を巡ろうと思う。
話しかけてくれたおじさんにギーマさんについて訪ねたが情報は皆無だった。しかし、ウラウラ島の地図とこの地のキャプテン? という地位の人に聞けばわかるかもという情報を頂いたので良しとする。キャプテンーーさっきのおじさんはアセロラと呼んでいたーーはマリエ図書館にいることが多いらしい。

「キャプテンって、何なんだろ」

疑問を抱えながら図書館に足を向けた。

(シンオウは北海道、アローラはハワイ)






何かあったら連載するかも。


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