あとがき



ノリウツギ、最後まで読んでくださりありがとうございました!


まず最初に謝ります!

アヤナミ様と夢主の思い出のシーンのお話です。

こんなシーンあった??と思われるかたもいらっしゃったかと思いますが、原作にはありません!
アニメにしかないです!!

ごめんなさい!

原作にも合ったよなぁ〜と書き進めて、最終話を書いているときに「一応確認しよう。」と思って原作を読んだらなかったというミス…。

ごめんなさい。
どうぞ心広く見逃してください。



この作品は夫婦な二人を書きたいというノリで書き始めた作品です。
いやぁ、切ないところもありましたし、アヤナミ様がでてこない話もありましたが、書いていて楽しかったです。

最初は、アヤナミ様のことを「旦那様」と呼ばせたいと思っていたのですが、これでは奥さんなのにメイドみたいだと考えなおし、夫という結論になりました。

この作品はアヤナミ様を「旦那様」と呼ばせたいがために書き始めたのですが(笑)

でも満足です。
完璧ハッピーエンドなので♪


きっと、これから名前たちは赤ちゃんを父親のところへ見せに、そして抱かせにいくのでしょう♪


それでは、最後の最後までお付き合いくださりありがとうございました!





〜After that〜



遠くで店員が話しかけようかどうしようかと迷っているのが、視界の隅に見えた。

話しかけられるのも面倒だと思う反面、こういった店は一度も入ったことはなく、聞きたいことはたくさんある。

しかし店員は、無表情でショーケースの中に並べてある指輪を眺め見ている私に声が掛けにくいらしい。

それならばそれでいい、と一人指輪を眺めていると、一人の女の店員が話しかけてきた。


「いらっしゃいませ。恋人への贈り物ですか??」


チャレンジャーも世の中にはいるものだ。
それとも逆に何も考えずに話しかけたのか…。

それにしても助かったのは事実。


「…結婚指輪を。」

「まぁまぁ!」


当事者の私よりも何故か女の方が嬉しそうに微笑みながら、ショーケースの中から指輪をいくつか取り出してきた。


「それならば、こちらの指輪なんていかがでしょうか??」


店員が勧めてきたのはでかでかと宝石が目立つ指輪。

別にそれでもいいが、名前には似合いそうにない。


「もう少し控えめのはないか。」

「そうですねぇ…。ご予算的にはどれほどでしょうか。」


予算……。
あまり深くは考えていなかった。

とりあえず名前に似合えばいいと、それだけが目的できたのだから。


「……。清楚な女性に似合いそうな指輪をいくつか持ってきてくれ。」


あえて質問には答えずにそういうと、店員は嫌な顔をすることもなく、また指輪を持ってきた。

しかしどれもしっくりとこない。

サファイア、ルビー、ダイアモンドなどと見ていく中で、店員ももう何を勧めたらいいのかわからないようで見守っているだけだ。


せめて好きな宝石ぐらい聞いておけばよかったと思っても後の祭り。


どれほどショーケースの前に齧りついていたのだろうか。
気がつくと先程の店員はいなくなっていた。


店を代えるか、また後日くるか、どちらかにしようと思っていると、ショーケースの片隅に控えめに飾ってある指輪に目が魅かれた。

小さいダイアモンドの真ん中にまだダイアモンド。
その四方にはピンクのダイアモンドが散りばめられており、しっかりしているのに細めのリングはなんだか名前らしかった。


自分の中でもしっくりいくそれに、内心頷いてから名前の喜ぶ顔を思い浮かべた。


名前は喜んでくれるだろうか。


柄にもなくそんなことを考えた。





ふと目が覚めた。
懐かしい夢を見ていた。

結婚指輪を買った時の夢だ。

時刻はまだ深夜のようだ。
カーテンの隙間から覗いているのはまだ月明かり。

左横には気持ち良さそうに眠っている名前の姿。
その左手の薬指にはあの時買った指輪。

いつも大事にしてくれているようで、そろそろネックレスや新しい指輪を買ってやるのもいいかと、寝ぼけている頭でそんなことを思った。

顔にかかっている髪の毛をそっと払ってやる。

そうしていると、すぐ隣のベビーベッドから恐竜のような鳴き声が響きだした。

その声にパチッと勢い良く目を覚ます名前。


「どうしたのかな〜??」


泣き喚いている赤子を抱き上げてゆっくりと揺さぶってあやす。


「今日は静かだと思ったのだがな。」

「アヤナミ様、起きていらっしゃったんですか??」

「泣く少し前に起きただけだ。」

「明日もお仕事ですから、ゆっくり休んでください。」


連日の夜泣きに、目の下に薄っすらとクマを作っているくせに、私には休めと名前はいう。

こういう姿を見ると、もう少し新婚生活を送ってから子供を引き取るべきだったかと思うが、一生懸命甲斐甲斐しく、大変そうにしながらもどこか嬉しそうな名前を見ると、そう問うことさえできずにいる。

赤子の鳴き声で飛び起きるその姿は母親さながらだ。


しばらく見つめていると、ベッドに座って赤子をの背中を撫でてあげている名前のほうがうつらうつらとしてきていた。

赤子はすっかり泣き止んではいるが、なかなか眠ってくれない。


赤子と目が合った。
何故かこちらに向かって手を伸ばしてきた。

いつもは名前ではないと泣き止まないくせにだ。


ベッドから立ち上がり、座ったまますっかり眠ってしまっている名前の腕から、赤子を抱き上げて背中を撫でる。


赤子は珍しくいつもより早く瞼を下ろし始め、それはしっかりと閉じられた。


名前をすっかりと寝させてやりたいと思っていたからちょうどいい。

赤子ながらも空気を読んでくれたのだろうか。

もしそうならばヒュウガに爪の垢を煎じて飲ませたいところだ。

このまま朝まで眠ってくれるのならばそうしよう。
赤子を見習ってもらうことにしよう。


赤子をベビーベッドに寝かせ、その額に口づけを落とすと次は名前の番だ。

座ったまま眠っている名前をそっと抱き上げてベッドに横にし、自分もベッドにまた潜り込んだ。


可愛らしい寝息がこの部屋に二つ。


子供よりあどけない笑顔で眠っている名前の寝顔。
その唇にキスを落とし、睡魔と夜の静寂に身を任せた。


―Eternal live happily―

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