あとがき




星降る夜、最後までご覧いただきありがとうございました!

えっと、このお話は『堕ちる天使』のスピンオフ作品となっております。
堕ちる天使と見比べながら見てみると、この時この夢主はこう思っていて、この時あの夢主はこう思っていたんだな、と視点が広がると思います。

それをアヤナミ様との恋愛の次にメインで書いたので、堕ちる天使を見なければわかりにくかった作品となってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

美形アンテナとか意味のわからんこと(笑)を言ってる夢主でしたけど、楽しんでいただけていたらとても嬉しいです。

『堕ちる天使』の夢主はアリスやエレーナそしてジュードとの葛藤と交錯、それとヒュウガとの恋愛を。
『星降る夜』の夢主はその上記の夢主に対する葛藤、そしてジュードとの交錯、アヤナミ様との恋愛を、それぞれ描いております。

嫉妬って誰にでもありますよね。
でも嫉妬している時の顔を鏡で見ると、すごく険しい顔をしているんですよ。
女の子は誰も笑顔が一番可愛いですよね♪

ずっと笑顔でいられたらいいんでしょうけれどそうもいかないのが人生で。
辛い事は辛い、嬉しい事は嬉しいと素直に感じる事ができる心を、次は大丈夫!!とプラスに変えていけたら、それはきっと素敵なことだと思います。

とりあえず、このあとがきを見られたあとは不幸も跳ね飛ばしてしまうくらいの笑顔を♪
無理矢理笑ったらダメですよ〜。
自然に、好きなこととか、好きな人とか思い浮かべて笑顔を!


さぁ、笑顔になったところで『それから』をどうぞ!!










〜After that〜



何だか喉が渇いて研究室を出た私は、コーヒーを通路の片隅で飲んでいた。

最近ではアリスの事件も落ち着き、ジュードが隠し持っていたアリスやアリスの資料は研究室の奥に厳重にロックをかけて保管してある。

シキは絶対にどちらも処分したい、と言ったのだが、上層部が『保管』を命じたためだ。

恐らく上層部がいつか敵側へ投げ込んだりして実験を行うつもりなのだろうことは安易に想像できて、私とシキで後日そっと処分しようという話になっている。
資料は燃やし、アリスは天気がいい日に人気のない外へ開け放つ。
その火付け役は私に決定だ。

資料が燃えたことは事故だと報告したらいいし、アリスの方は贋物だったと言えばいい。
なんなら催涙弾と入れ替えてもいいし。


カコン、と音を立てて空になったらコーヒーの缶をゴミ箱に捨てた。

あー仕事に戻らなきゃなー。なんて背伸びをしていると「名前。」と名前を呼ばれた。

視線の先にはアヤナミさんの姿。


「サボりか?」

「休憩っていうんですよ。」



確かに半分サボり、半分休憩って感じだけど、サボりってあからさまに言われると苦笑するしかない。


「アヤナミさんは?」

「会議に向かう途中だ。」

「へぇ〜会議に…??」


会議室ってココと正反対だよね??と首を傾げる。


「あ、わかった。会議に行くついでに私に会えたらいいなーって研究室の前通ってきたんでしょ??サボりはアヤナミさんじゃないですか。」


ウシシ、と笑えば、彼は私との距離を縮めてきた。
私は自然と後ろへ一歩下がり、あっという間に壁とアヤナミさんの間に挟まれてしまった。
その上アヤナミさんの右手が私の顔を通り過ぎて壁についているため、逃げ場がない。


「勘違いしてもらっては困るな。『ついで』は会議の方だ。」


頬を掠めるように口づけられた。


「ぅぁ、ちょ、ちょっと、こんなとこ人に見られたら、」


顔を真っ赤にしているであろう私の顎をアヤナミさんの左手で掬い取られ、私は強制的に顔を上げられ、私は目を逸らした。


「今日は早く帰れるが、名前はどうだ?」

「あぁ、まぁ、はぁ、それなりにキリがいい所で帰ってきます。」


何だこの会話。
同棲してる恋人みたいだ。
って、恋人同士か。
しかも同棲してるや。


目を逸らしたまま会話をしていると、こちらを向けとばかりに目尻にキスを落とされて、自然とアヤナミさんの方を向くと今度は唇に口づけられた。

啄ばむような口づけから舌がねじ込んできて口内を荒らされる。
舌を絡ませられ、吸われると同時に腰を引き寄せられて体がより密着した。


「っ、ぁ、ん…ん、ッ、」


何だか情事中のようだと錯覚さえ起こすような激しいキスに、私の中のスイッチが入りかけた。
今すぐにでも繋がりたいと思ってしまうのはきっとこの人のキスが情欲的だからだろう。

こういうキスをするときのアヤナミさんは、前戯もそこそこにすぐに私と繋がりたがる。
つまり、アヤナミさんも今、私と繋がりたいと思っているのだろう。

きっとここが通路じゃなく、私達の自室だったらすでにベッドに縺れ込んで………っっっ!!

わわわわ忘れてた!
ここ通路だった!!!!


「んっ、ァ、ヤっ、っ、ん、」


彼の胸板を押すが彼の口づけは一向に止まらない。

私の口内に入り込んできている舌を舌で追い出そうとしたが、私から絡ませてきていると思ったのか、後頭部に手を回されて口づけがより深くなった。

両足の間にアヤナミさんの足が入りこんできて、膝で秘部を刺激される。

まずい。
非常にまずい。

もうこれは猥褻物陳列罪と言われても文句は言えないレベルだ。

仕方ない、これは非常事態として、ここは…


私は微かに震えている足を上げて、アヤナミさんの足の上に思い切り下ろした。

足を踏んだのと同時に離れた唇を両手で隠して、睨んでくるアヤナミさんに「悪いのはアヤナミさんですからね!」と抗議の声を上げる。


「ここ通路!!何してくれてるんですか!」


秘部に押し当てられていた膝をペシっと叩いてやった。


「文句なら口で言えばいいだろうが。」

「言えるかー!!!」


キスしてしゃべらせてくれなかったのはそちらじゃないですか!!
私がどれだけ必死に抵抗したと…


「舌を噛まなかっただけいいとして下さい。」


プイッと顔を背けると、アヤナミさんは私の耳の軟骨をカリッと噛んで舐めた。


「キリがいい所で帰ってくると言ったな?夜は覚えておけ。」


耳元で低く囁かれ、恥ずかしさと夜に起こるであろう情事に顔を赤くするべきなのか青くするべきなのか。
実際のところ今の自分の顔が何色かはわからなかった。
少なくとも、背筋には冷たい何かが通ったけれど。


アヤナミさんはそれだけ言い残して会議へ向かってしまった。

私はそんな彼の後ろ姿を眺め見ながら、今日はやっぱり残業しようと心に決めた。



帰ってこない私に痺れを切らしたアヤナミさんが、研究室まで迎えに(乗り込んで)くるのは後5時間後の話。


―Eternal live happily―


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