あとがき



決意表明130°、最後までご覧くださりありがとうございました。
もう40°、130°と変な方向へばかり突っ走ってばかりの主人公でしたが、皆様ついていけましたでしょうか…?
とっても不安です。

半月ほどで書き上げた作品で、全7話なので展開的に早かったように感じます。
元々全8話ぐらいかな〜と思っていた作品だったので、7話で終わったのは意外でした。
いつもは必ず予定の話数を軽く超えてしまうので。

この作品は『あなたの子どもが欲しいの』みたいな子どう??と、職場の先輩に案をいただいたものでした。
その場で1から10まで決まったので、全てにおいて楽だった作品です。
主人公も特徴的で勝手に突っ走ってくれましたし(笑)

最近はアヤナミ様ブームなのか、アヤナミ様夢ばかり思いつきます。
次に書きたい小説も、書きたいネタも溜まっているんですが、情熱に書くペースが追いつかない状況がひどくもどかしいです。
仕事があるからこそ、『小説書きたい!』という気持ちになるんでしょうが、1週間くらい小説漬けになってみたいです。
あれですね、『会えない時間が想いを大きくする』という恋愛みたいな感じですかね。
まぁ、私は会いたいときには会いたい、会いたくない時には会いたくないとバッサリした性格なのですが。
最近はさっぱりした女性が多いらしく、ピロートークも必要ないとおっしゃる女性も増えていらっしゃるとか。
私としては、絶対してほしいわけではないですが、ないと寂しい気もします…。
皆さまはそこらへんいかがなのでしょう??
あれ?こんなこと聞いたらセクハラでしょうか?!?!
まぁ、女同士ということで。
バッサリした主人公かぁ…。
…何かしら小説に繋げようとしてしまう今日この頃…。






〜After that〜



「名前ちゃん、アヤたんと過ごすめくるめく夜はどう?」


監査期間も終わり、名前ちゃんは晴れてアヤたんと恋人同士になったようだし、聞いたのはほんのちょっとした気まぐれと好奇心だった。
アヤたんの面白い話が聞けたらいいな。そんな程度だったのに。


「聞いてくださいますかヒュウガ少佐!それがですね!」


カツラギさんに午後のティータイムを誘われたらしく、久しぶりにブラックホークを訪ねてきていた名前ちゃんは、アヤたんが会議でいないことに肩を落としていたが、オレが話を振ると、それはもう予想以上に食いついてきた。
何故か鬼気迫っていて怖い。
コナツとクロたんはオレより3歩離れたところにいて、遠くからその様子を見守っている。


「それが、まだキスから進んでないんです!」


あーあーあーあー。
コナツとクロたんの両耳を塞いであげたい。
気分はあれだ、親とドラマを見ていて急にベッドシーンが流れているような…、そんなあれ。
男のオレが言うのと女の名前ちゃんが言うのとではまた違うものがある。


「事に及ぼうとしたら急に私の上司から呼び出されたり、アヤナミ様も急な遠征や討伐が入ったり、かと思えば私の生理がきて、タイミング悪すぎです。」


呪われてるんですかね、お祓い行った方がいいんですかね。と悩む名前ちゃんには悪いが、今の彼女なら生理中でもしようって言いそうだなと思う。
何その思いつめたような顔。
女の子がする顔じゃないよそれ。


「生理中でもいいって最近言いたくて言いたくて。」


彼女はきっと気付いていない、コナツとクロユリがまた一歩オレたちから離れたことを。
ハルセの笑顔がピシリと石化したのを。
それが彼女の短所であり長所でもあるのだけれど、若干刺激が強いような気がする。
なんかオレのポジション取られてるような気もしてきた。


「でもいいんです。焦らされれば焦らされるほどその時燃えるでしょうし!それはもうめくるめく熱く激しい夜を、」

「名前さん、少しお静かにどうぞ。」

「はい、カツラギ大佐。」


素直に頷き、お茶を啜る名前ちゃんの暴走はカツラギさんの一言によって落ち着いたようだ。
こうして黙っていたら美人の部類に入るというのに、口を開けばそこはもう阿鼻叫喚と化すところが名前ちゃんクオリティか。
慣れるのにはもう少し時間が掛かりそうかもしれない。主にオレの背後にいるコナツとクロたん。
ハルセも大人だけど純粋だからなぁ…。

頭をポリポリと掻きながらすっかり落ち着いた名前ちゃんを眺めていると、執務室の扉が開いた。
どうやらアヤたんのお帰りらしい。


「ア、アヤナミ参謀…、お邪魔してます…。」

「あぁ、来ていたのか。」

「はい。」


急にしおらしくなった名前ちゃんに首を傾げる。
監査期間中ならそれはもう待ってましたとばかりに飛びついていったはずだ。
一体2人の間に何があったのか。
これは思っていたよりも面白いことになっていそうだと、内心にんまりした。


「名前ちゃん急に大人しくなったけどどうしたの?」

「そうですか?普通です、普通。」

「いやいや、前と全然違うけど。」


アヤたんが参謀長官室に入っていったのに、それを追いかけもしないなんて具合でも悪いのか。
さっきまで絶好調だったくせに。


「なんかあった?」

「あったといいますか…、その、自分の気持ちを自覚した途端に色々と恥ずかしくなりまして。アヤナミ参謀がいる時限定なんですけどね。」


あぁ、なるほど。
うん、それが普通だから。


「で、アヤたんの前では『普通』なんだ。」

「何故『普通』を強調されるのかわからないんですが、まぁ、そういうことになりますね。…ちょっと、会いに行ってきます。」

「いってらー。」


手を振ってあげると、名前ちゃんはアヤたんのいる参謀長官室へと入って行った。
少し緊張しているのか何かもじもじしている名前ちゃんが名前ちゃんらしくなくて違和感が拭えない。
あれが最近の名前ちゃんなのだろう。アヤたんの前限定で。
でもさっきオレたちが聞いたのが本心なのだと思うと、あのもじもじ乙女名前ちゃんがいつまで続くかはわからない。
いつかはキレてアヤたんを襲いかねないんじゃ…。と容易く想像がつく。

参謀長官室ではアヤたんの側に近寄り、何やら楽しそうに会話をしているようだ。
あーあー、頬赤くしちゃって。
全然面白いことなんてなかったなーとイスに背を思い切り預けて天井を見上げると、「失礼します!!」と見たことのある顔が入室してきた。
確か名前ちゃんの後輩で水輝とかいったか。
彼はオレたちに挨拶をすると、そのまま一目散に参謀長官室の扉をノックして開けた。


「先輩!いつまで休憩してるつもりですか!」

「えー。もうそんな時間?」


文句を言いながらも、名残惜しげに参謀長官室を出てくる名前ちゃんはやはりオレと違って真面目だと思う。


「アヤナミ参謀といるといつも時間が過ぎるの早いのよねぇ。子どももポロッと早く産まれちゃうんじゃないかしら。」

「何が何でも自力で十月十日ちゃんと妊婦しててください。」

「早く子どもが欲しいわね。ちょんと四十八手の勉強してるのに。」

「先輩、もうそんなことどうでもいいですから帰りますよ。」

「はいはい。カツラギ大佐おやつごちそうさまでした、おいしかったです。」

「それはよかった。」

「ブラックホークで働くのもいいですね。私ここの子になりたいなぁ、アヤナミ参謀にも毎日会えるし、帰りたくないや。」

「「「帰って(ください)!!」」」


ハルセとコナツ、クロユリの渾身の叫びがブラックホークの執務室に木霊した。


―Eternal live happily―


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