あとがき
はい、アヤナミ様夢、最後までご覧くださりありがとうございました!
いやー最終話を書き上げて、今あとがきを書いているというのに題名が決まっていないという!!
こんなことは初めてです。
元より題名を決めるのがとてもとても苦手なのでですね…(汗)
できればアフターザットの前に題名を考えたいと思います。
はてさて、この作品はルームシェアシリーズ2作目でした。
軍人さんと一般人の女の子の恋というものが書きたくて書きたくて。
このシリーズでは、どこかしらで各話(ルームシェアシリーズ)の主人公やお話がリンクしています。
作中には深く出したりはしませんが、カフェの向かいの花屋さんなどキーワードは転がってたりします。
お気づきになられましたか??
コナツ、アヤナミ様と来たら、次の3作目はヒュウガを書くつもりです。
ヒュウガ夢を書いていないので、アヤナミ様とコナツ夢の話の流れだけになりますが、その2作品だけ説明すると、コナツが夢主とルームシェアを初めてからアヤナミ様もルームシェアをはじめています。
くっついたのもコナツたちが先ですね。
結婚はアヤナミ様の方が早そうですが(笑)
作中の中で主人公がアヤナミさんのことを『自分で参謀と名乗る痛い人』という認識をした主人公はある意味すごいと思います。
主人公の両親の仇が参謀というお話付近は、私には少し難しかったです。
今までギャグ目線で書いていた分、急にシリアスに変わって戸惑いましたが、読まれている方々はいかがでしたでしょうか??
さてさて、あとがきを書きながら題名も考え付きましたし、そろそろアフターザットの方を書きたいなと思います。
それでは、『History share』を読んでくださってありがとうございました。
〜After that〜
「おほほほほほ!!見よ!この素晴らしい点数たちを!ほほほほ!!コールミークイーン!!コールミークイーン!!」
私のテスト期間が終わるまで引っ越しを待ってくれたアヤナミさんに、『引っ越しを待ってやったというのに何て点数を取っているんだ』と言われないように、久しぶりに死ぬ気でテスト勉強をした結果、学年2位という好成績をいただいた。
テストが返ってくるまでの間、引っ越しでバタついていて体力的にヘトヘトだったが、このテストが返って来た今日、私のテンションはMAXだ。
私の高笑いが新しい家中に響き渡ると、ソファに座って『馴れ馴れしい部下の上手な育て方(地獄編)』を読んでいたアヤナミさんは、うるさいとばかりに眉間に皺を寄せ、私の手から順位表と数枚のテスト用紙を抜き取った。
「1位との差はたった3点か。」
「いやー惜しいよねー。次も頑張ってみるよ。まぁ、もうこんな奇跡起きないだろうけど。」
「名前、この数学の問15、凡ミスしているが。この問いが間違っていなければ今頃名前が1位だっただろうな。」
含みのある言い方に、私は目を細める。
素直に褒めてくれたっていいじゃないですか。
「……何が言いたいんですかね。」
「お前はいつもどこかで抜けているな。」
「わるぅございましたね。」
「まぁしかし、褒めてやらんこともない。」
よく頑張った。と私の頭を撫でるアヤナミさんに、『時間差で来たか!』と内心悶えた。
引っ越しの片づけもようやく終えたが、ここがこれから帰る場所になったというのはまだ若干の違和感があるものの、私たちの生活で特に変わったことはない。
いや、あるか。
ファミレスのバイトを一つ辞めたから日々の生活の流れが優しい。
その代わり、私はテーブルの上に積まれているつい先日買ってきた料理本を見ながら勉強しないといけないわけなのだが。
「歴史は満点か。好きこそもののというやつだな。」
「でしょー!ふふふー。」
ニマニマと笑っていると、ふと疑問に思ったのかアヤナミさんは「名前は歴史のどういったところが好きなんだ。」と問いかけられた。
前に一度聞いたことがある。
アヤナミさんは士官学校時代、得意な教科はあれど特筆して好きな教科はなかったそうだ。
しないといけないことだからする。ただそれだけだったらしい。
だから気になるのだろうか、私が歴史のどこが好きなのか。
「んー。あのね、同じ地球に今まで様々な人たちが暮らしていて、生まれたからにはその人一人一人にちゃんと歴史があって、私たちはいつも歴史をシェアしてる。私とアヤナミさんも、今それぞれの歴史をシェアしてるんだよ?そう考えたら何だか素敵じゃない?」
そう言うと、アヤナミさんは「なるほど、そういう考え方があるのか」と納得したように数回頷く。
私はそんな彼を視界に入れながら、解けなかった問題のやり直しをするために、机にテスト用紙とルーズリーフを広げ、アヤナミさんはまた、『馴れ馴れしい部下の上手な育て方(地獄編)』に目線を下ろした。
広い家にシンとした静寂が広がる。
耳に入る音といったら私がシャーペンを走らせる音と、時折アヤナミさんがページを捲る音くらいだ。
しばらくその静寂に包まれていたが、私はふと顔を上げた。
「アヤナミさん、ここわかんないんだけど。」
教えて!とヘルプを求めると、彼は何故か少し間をおいて手元の本を閉じ、机の隅へ置くと私の隣に移動してきた。
「どこだ。」
急に近くなった距離だが、取り立てて騒ぐこともない私たちからすると普通の距離にむしろ安堵感さえ覚える。
アヤナミさん何かいい匂いするーとか言ったら、変態臭くて引かれるだろうか。
「ここ。問8。私数学はちょっと…。」
「見返りは大きいぞ?」
「わ、私に払えますかね。」
「逆だ、お前にしか払えない。」
彼の含みのある言葉の意味が理解できなくて、「どういう意味??」と彼を見上げると、唇にキスが落ちてきた。
それはいつものように深くはならず、すぐにわざとらしくリップ音を立てて離れる。
「一問教えるたびに名前からキス一つで手を打ってやる。」
頬とかごまかしはなしだ。と釘を刺すアヤナミさんに私は首を盛大に横に振った。
それはもう頭がもげるんじゃないかというくらいの勢いで。
「いやいや!!無理!結構です!自力で解きます!!ぎゃー!なんで押し倒すのー!!!!」
押し問答は、引っ越し祝いに来たブラックホークの皆様が訪ねてくるまで続いた。
―Eternal live happily―
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