あとがき



はい、『サラリーマンな彼とOLな私』過去編を最後までご覧下さりありがとうございます。
前作の現在編とはガラリと違って甘々の甘々にいたしました。
というか甘々の甘々の甘々にしたくてしたくて!
2人が出会ってから付き合いだすまでのお話と、それからのあまーいお話をここでお届けするのが目標だったので目標達成できたかなぁと思っております。

文章の中にはっきりとはだしていませんが、このお話は2人が一旦別れる3ヶ月前までのお話です。
これから夢主にアヤナミ様のブラックホークの話が来たり。
まぁそこまで書いていたら暗くなってしまいそうだった上に、現在編でその罪悪感に苛まれている様子を書いているので省きました。
とりあえず甘いのを書きたかったので。

でも一つだけこの小説を書いた管理人として、皆様に知っておいてほしい事があります。

まぁ、恋愛よりアヤナミ様を選んでしまったこの夢主を苦手としていらっしゃる方も…というか嫌いな方もいらっしゃるでしょう。
でも、夢主もヒュウガと別れると決める前までにたくさんの葛藤をしたことだけは頭の中に入れていて欲しいです。
傷つけて、傷つけられて、でもその傷を癒しあうのが恋愛だと思うので。
それに嘘をついていたのはお互い様ですしね(笑)

いやー何よりこの夢主の姉が個人的には気に入っています。
気に入りすぎて第3話ではヒュウガが出てこない!という事態になるくらいにww

偽り編書いてて楽しかったー!!!



〜After that〜

「お邪魔しまーすただいまー。」


なんとも不思議な掛け声と共に部屋に入ってきたヒュウガ。
仕事帰りなのか珍しくスーツ姿だ。
いつもは着替えてから来るのに。


「おかえり。何その挨拶。」


シチューの火を消して玄関先に行くと、ただいまのちゅーをされてしまった。
こうしていると何だか夫婦のようだ。


「んー、『お邪魔します』は他人行儀すぎるし、『ただいま』は馴れ馴れしいかなぁと思って。あえて中間をとって両方言ってみた。」


靴を脱ぎながら「はいお土産」と袋を手渡された。


「これ何ー?」

「ん?あぁ、……職場の人が作った桜餅。たくさん作ったからって貰ってきた。」

「やったー。桜餅好きー。」


食後に食べようとカウンターに置いて、ヒュウガにお茶を持っていく。


「雨降ってなかった?」

「うん。」


降り出しそうな空だったけどヒュウガが来るまでどうやら持ってくれたようだ。
外を見るとポツリポツリと今振り出してきていた。


「今日泊まるよね?」

「うん♪」


ならきっとヒュウガが帰る明日には止んでいるだろう。
明日の天気予報は午後から晴れだ。


「スーツ皺になるよ?」


上着をぞんざいに扱っているヒュウガに文句を言いながらハンガーにかけてると、後ろから抱きしめられた。


「奥さんみたい♪」

「はいはい。あーシチュー焦げるから離して。」

「火止まってるよ?」


私からは物が邪魔で火なんて見えなかったけれど、長身のヒュウガにはコンロが見えたようだ。
背が高いと得だな。まったく。


「って、何してんの。」

「んー?ネクタイ外してる。」

「違うでしょ。」


私にはその外したネクタイで私の両手を縛っているようにしか見えないんですけど。


「先にご飯食べよーよ。それにそんな縛りプレイヤダよ私。」

「名前にマンネリ化してるなぁって思われないためのオレなりの好意だよ。」

「嘘つけ。ただ自分がしたいだけでしょ。」


ジト目で睨むと、ヒュウガがケロリとして「うん☆」と頷いたのでそのままアッパーカットを喰らわせておいた。

本気で縛る気はなかったようで、ゆるゆると解けたそのネクタイを、ついでに床にわざとらしく倒れている彼に投げつけておく。


「さーシチュー食べよー。」


シチューを温めなおすためにキッチンにつま先を向けて振り向く。


「あ、言い忘れてたけど。『ただいま』でいいと思うよ。」


一瞬ヒュウガはキョトンとしたけど、その後すぐに、それはとても嬉しそうに笑った。


その後、シチューを温めなおしていた私の背後で、ヒュウガがこっそり枕の下にネクタイを仕込んでいたのを知ることになるのは桜餅を食べたもう少しの出来事となる。


―Eternal live happily―


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