これぞまさに計画停電。
停電しました。
ロウソクも見つけました。
でも火がありません。
タバコ吸わないからマッチもライターもないし、ガスコンロ!とも思ったけど我が家はIHクッキングヒーターじゃー!!
ふふん、べべべ別に暗闇は怖くない。
怖くないさー。
なんるくないさー。
コンコン、コンコン。
ななななな何今の音!
コンコン、コン。
ひぃぃぃ!
なんか誰か来た?!?
暗闇の中、家具にぶつかりながら扉の前に立って「どちら様ですかー?」と恐る恐る声をかける。
「オレだよーヒュウガー」
…ヒュウガ?
ヒュウガ!?
「ヒュウガー!!!来てくれて嬉しー!」
「ぎゃぁ!何っ!?」
扉を思い切り勢いよく開けて救世主な訪問者に抱きつけば、ヒュウガは鬼気迫った私に一歩引いて驚いていた。
「ど、どうしたの。いつもは『来るな帰れ』って冷たいくせに」
「入って入って!」
「ねぇなんで暗いの?電気は?気配してるのに出てこないから居留守かと思ったよ。」
「停電してて…。」
「ふぅん…暗くて不安だったんだ。」
「な、何よ。文句あるの?」
「ないよー可愛いなぁって思っただけ♪」
「馬鹿。それよりライターとかもってない?ろうそくはあるんだけどさ。」
「ライターはないけど…」
ヒュウガはそういってザイフォンでろうそくに火をつけた。
「ありがとうヒュウガ!使える時は使えるんだね。」
「地味に傷つくなぁ。じゃぁオレ帰るね。」
「えぇ!?なんで?!泊まってってよ!」
「いつもは帰れっていうくせに…」
「だって…」
「一人怖い?」
コクリと素直に頷くと、ヒュウガはどさくさに紛れてキスしてきた。
何してんだコラ。
まだ付き合ってもないでしょ馬鹿。
「あのねぇ、ろうそく一本の暗闇の中で好きな子と2人っきりはちょっと男的に辛いよ?」
「知らん。何もしないって約束して朝まで居て。」
駄々をこねる私にヒュウガは小さくため息を吐いて「仕方ないなぁ」と頷いて抱きしめてきた。
その時ヒュウガがにんまりと笑っていたのを私は知らない。
(ここら一帯の電線斬ってきた甲斐あったな♪)
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