END
「これ、ブラックホークの執務室にまで持って行ってくれる?確か仲良かったよね?」
いや待て、ちょっと待て。
今ブラックホークと仰ったか?
しかも何が『確か仲良かったよね』だ?
お言葉ですが、私が話したことがあるの何てヒュウガ少佐ぐらいのものなんですが。…と言う暇もなく『いやー助かるなぁ。』と私に書類を押し付けた上司は機嫌良く去っていった。
本気で嫌がらなかったのは、ヒュウガ少佐に会えるかなと思ったからだ。
しかしまぁ、……面倒くさいな。
よっこらせ、と重たい腰をあげ、任された書類を手にして経理部を出た私は、ブラックホークの執務室を訪ねた。
「失礼します、経理部の者ですけど、書類を持って参りました。」
「あれ?何してんの??」
私が来たことに我先に気付いたヒュウガ少佐が書類を放りだしてこちらへ歩み寄ってくる。
ベグライターのコナツさんが釘バットを手にしたのが視界の端に見えたがヒュウガ少佐曰く『よくあること』らしいので気にしないようにした。
「何って、仕事ですよ、仕事。」
「待ってましたよ、わざわざありがとうございます。助かりました。」
またまたヒュウガ少佐曰く、『料理上手なカツラギ大佐』が私から書類を受け取った。
「あ、もしかして噂の経理部の子?」
またまたまたヒュウガ少佐曰く『可愛いけど腹黒い、腹黒ユリ中佐』が目を輝かせてこちらを見てきた。
「噂ですか?」
「中庭で経理の女性とヒュウガがいちゃついてたってやつだよハルセ。ねぇねぇ、2人って付き合ってるの?」
そんな噂知らないんだけど!何その小っ恥ずかしい噂!
「つ、付き合ってなんて!!ヒュウガ少佐、噂がっ、噂がっ!」
「ま、さすがにあそこまでしたら噂広がるよね、やっぱり♪」
「…やっぱり??」
「やっぱり♪♪」
あれ?『やっぱり』って、…こうなることを少佐は予期していた…??え、それって…。
「……ハメましたね?」
「ハメた…ってことになるのかな♪」
「なるに決まってるじゃないですか!!」
「だってあんまりにも君がオレのこと考えないから。」
「はい?」
「オレが、君のところにばっかり領収書持って行ってた理由、わかる?」
「理由なんてあるんですか?むしろただの嫌がらせかと…。」
「ねぇ、この噂本当にしようよ♪」
ぱちくりと目を瞬かせた。
目の前の彼が何を仰っているのか一瞬理解ができないほどに、その言葉の破壊力は凄まじかったのだ。
「君のこと好きなんだ、結構前から♪」
「……それは、はじめて…知りました…。」
「だろうね。で?お返事は?君が嫌ならあんな噂潰してあげるけど?」
噂を潰す?
冗談じゃないやい。
こんな滅多にないチャンス、絶対逃せないんだから。
カモネギ!
(ぜひ、本当にしたい、です。)
(そうこなくっちゃ♪)
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