ガラスの月が融ける晩に
窓ガラスに水滴が浮かんでいた。
窓辺に立っている私が、シーツ一枚で部屋の中にいて平気なのだから、外がきっと寒いのだろう。
甘い倦怠感に浸りながら水滴でぼやけた月をボーっと見ていると、目が覚めたらしいアヤが後ろから抱きしめてきた。
赤い痕がたくさんついている首筋に顔を埋められれば、銀色の髪がくすぐったい。
「何をしている。」
「何だか眠れなくて。」
「なら付き合ってやる。」
アヤはそういって私の胸の谷間に指を入れると、唯一私が身に纏っていたシーツを人差し指でクイッと剥いだ。
パサリと床に落ちたシーツ。
露になった私の素肌に、アヤが手を滑らせた。
数時間前の快楽がまだ体に残っていたらしく、私は次第に興奮し始めてアヤの首に自ら腕を回した。
「っ…ぁ…」
小さな嬌声と共に、月を映し出していた窓ガラスの水滴が、ふるえて流れた。
まるで月が融けるように、甘く。
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