伝わる優しさ
歩くのが遅い私は、友人と一緒に歩いていても人ごみの中に入るとたまに置いていかれる。
だけど彼はいつも私の歩幅に合わせてくれて、そうして少しだけ照れ臭そうにはにかみながら私の左手を握るんだ。
歩幅を合わせてくれるだけで嬉しいのに、指先で繋がるともっと嬉しくなれる。
「何かいいことでもあったの?」
コナツさんが私の顔を覗き込みながら問うた。
いえいえ。
あったんではなく、今もあってるんです。
私の手を握っている手はひどく優しく温かい。
そして意外とおおきくて、刀を握るせいかところどころ節くれだっていて、可愛い外見とは反対にとても男らしい。
「んーっと、コナツさんと手を繋げて嬉しいなって。」
素直な気持ちを口に出せば、コナツさんはやっぱり恥ずかしそうにはにかみながら私の手をまたしっかりと握りなおした。
「あれ?コナツたちだ〜♪」
街でデートをしていたところをヒュウガ少佐に声をかけられて、コナツさんは顔を赤くした。
「こっ、これはですねっ!!えっと、その、」
もう皆に公認の仲なのに、恥ずかしさから照れて焦っているコナツさんに、私とヒュウガ少佐は目を合わせて笑った。
繋いでいるコナツさんの手は、本人の顔と同じくらい赤くて、そしてとても熱かった。
恥ずかしいなら離せばいいのにと思うけれど、何より、それでも繋がったままの手に愛しさを感じたりして。
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