誰がために鐘は鳴る
焼肉
ご飯 最近恒例になってきた
女性とか、男性とか、そんなこと抜きに一緒にいて居心地がいいし。
裏方向いてないよ
それはわかんなくない?
いや、わかる。
だいたいまだ満足してないのよ。
プレイヤーとマネージャーは必要な能力違うから。
「いや、わかる。だいたい、まだ満足してないのよ。表舞台に立ちきったぞ、って達成感がまだないんだって」
夜の焼肉店、すこし煙たいけれど居心地のいい個室。
ジュウと音を立てて焼けるカルビをトングでひっくり返しながら、大我が言う。
「ご飯、最近恒例になってきたね」
「ね。焼肉率、高くない?」
「好きなんでしょ?」
「うん」
短いやりとり。だけど、それが心地いい。
「女性とか、男性とか、そんなこと抜きに一緒にいて居心地がいいし」
大我がぼそっと言った。主人公は笑って、ご飯を一口。
「恋バナでもしてるみたい」
「何それ。なんでちょっと恋バナみたいなテンションなの」
ふたりして笑う。軽口を叩き合う、悪友のような空気。
しばらく焼き網に集中していた大我が、ふと思い出したように言った。
「裏方向いてないよ」
「それはわかんなくない?」
「いや、わかる。だいたい、まだ満足してないのよ。表舞台に立ちきったぞ、って達成感がまだないんだって」
「……うん」
主人公はしばらく黙った。
「グループが欲しいな」
「グループ?」
「メンバーが欲しい。この人だ、この人達だ、って思える人。すごく大事な人がいるって、大我どんな気持ち?」
「それ、もはや恋バナだよね」
「やっぱり?」
ふたりで吹き出す。また、肉が焼ける音が間を埋める。
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