Reborn

体があつい、体がおもい、頭がガンガンする、胸が苦しい───
やっぱり、わたし死んじゃうんだ。だって、さっきドンッて──…ほら、圭介だって見える───5年前にしんじゃったのに───きっと、わたしをお迎えにきたんだ。わたし、ずっと無視してたのに。圭介は、やさしいね。

「け、すけ……」
「ん、起きたか?」

おっきな手が頭を撫ぜる。やさしい顔して笑ってる。久しぶりに名前呼んだな、だって。ずっと会いたかった。あの日からまともに口利かないまんま、圭介はしんじゃった。ずっと後悔してた。大好きな真一郎くんがいなくなったのがさみしくて、ほんとは圭介は止めようとしてくれたって教えてもらったけど、どうしていいか分からないまんま意固地になってずっと口を利けなかった。
万次郎は許した、って言ってたのに。エマももういいよ、って言ってたのに。
中1のハロウィンの日、圭介が殺されたって聞いてからずっと後悔してた。なんでずっと無視してたんだろう、家族なのに、ほんとは大好きなのに、って。

「やだ…いっちゃ、やだっ……」
「つむぎ…?」
「ひっく……ずっと、…っ…むしして、ごめっ…なさっ……」
「俺の方こそ…ごめんな、つむぎ」
「……っく……ひっく…おいてかっ……でっ…」

せっかく会えたから、今度は置いてかないで。一緒に連れてって。
いくのが天国じゃなくて地獄でも、圭介がいてくれたら何にもこわくない。

(20210605)


High Five!